(第204回 11月28日 )
11月20日に開催された今年第25回目の経済財政諮問会議の席上、高齢者医療に関して「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金を何で私が払うんだ」と、「保険制度」そのものを否定する発言をした事が問題になっています。
「非常識な医師」発言の翌日に行なわれた会議での発言ですが、11月26日に議事録が公表され、問題になったものです。
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2008/1120/shimon-s.pdf
麻生発言は、以下の通りです。
「67歳、68歳になって同窓会に行くと、よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる。彼らは、学生時代はとても元気だったが、今になるとこちらの方がはるかに医療費がかかってない。それは毎朝歩いたり何かしているからである。私の方が税金は払っている。たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金を何で私が払うんだ。だから、努力して健康を保った人には何かしてくれるとか、そういうインセンティブがないといけない。予防するとごそっと減る」
「何かまじめにやっている者は、その分だけ医療費が少なくて済んでいることは確かだが、何かやる気にさせる方法がないだろうかと思う」
確かに運動や食生活の改善など、健康によいことを行なうことは重要です。しかし、すべての病気が自己責任によりおきる訳ではありません。長時間労働やストレスなど、疾病には社会的背景があります。
「疾病の自己責任論」に固執する麻生首相の姿勢には、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」ことを保障した憲法25条の精神が全く感じられません。また、憲法25条第2項に「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と定められていることを全く理解できていないのではないかと、疑問を持たざるを得ません。
毎年2200億円の社会保障費の削減政策を撤回し、充実した社会保障政策に転換することを強く求めるものです。
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