あなたにもあげたい 笑顔 健康
TOPヘ 香川医療生活協同組合

 地方政治新聞「民主香川」に「医療制度改革関連法の全体像と問題点」を連載しています。2008年7月27日号(1428号)に掲載した「後期高齢者医療について その4」です。一部修正しています。

後期高齢者医療制度は、現役世代にも負担がのしかかっています
(第183回 9月2日 )

後期高齢者医療制度の財源について、第165回で「厚労省は現役世代の負担は4割といっているが実際は44%になる」と指摘しました。

 そのことを裏付けるように多くの問題点が明らかになってきました。

 まず、国民健康保険の問題です。高松市国保の例ですが、国民健康保険料は、以下の三つの合計から算出されます。
  • 医療給付費分
  • 後期支援金分
  • 介護納付金分
それぞれについて、
  • 所得割額
  • 資産割額(固定資産税額による)
  • 均等割額(被保険者一人につき)
  • 平等割額(一世帯につき)

で計算されますが、所得割額が国保税の約7割を占めます。

 固定資産額と家族数により異なりますが、年収600万前後で上限額に到達します。負担上限を超える、比較的年収が多い場合を検討します。

 上限額は、医療給付費分は53万円から6万円引下げられ47万円になりました。しかし、後期支援分の負担が新たに増え、その上限額は12万に設定されたため、差し引き6万円の負担増になりました。
年収が少ない場合でも、国保料の大半をしめる所得割額は、昨年までの医療給付分7%から、医療給付費額に後期支援分を加えた7.5%に増加しており負担が増えています。

 健保組合でも財政は大変厳しくなっています。その理由は、高齢者医療(老人保健)に対する「支援額」の決め方が、従来は健保組合の組合員の所得に応じて設定されていたものが、加入組合員数に応じて按分されることになったためです。現役世代の負担は、前期高齢者(65才〜74才)に対する負担も含めると「倍増」といってもよいくらいの負担増になっています。

 6月27日付「朝日」は「派遣社員が加入する人材派遣健康保険組合の保険料は前年より25%アップ」と報じています。

 私の加盟する日本生活協同組合健康保険組合も、新制度導入に際してこの春から保険料を値上げして対応していましたが、この秋に再度保険料を引き上げざるをえない事態に追い込まれています。

 保険料の値上げは労働者の収入減だけでなく、事業所にも負担増が強いられます。医療・介護分野では、社会保障予算の削減による収入減と、社会保険料の引き上げによる支出増によるダブルパンチをうけることになります。

 後期高齢者医療制度そのものを廃止し、当面3月までの制度に戻すたたかいが重要になってきています。

■お知らせ■
  リヨン社から「日本全体をある長屋に置き換えて後期高齢者医療制度のポイントを解説した」図書が出版されました。著者は保団連事務局次長の寺尾正之さんで、「後期高齢者医療がよくわかる」(寺尾正之)で定価は一一〇〇円(税別)です。

関連項目へ “飛来峰”バックナンバー

TOPへ 香川医療生活協同組合