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欠陥だらけの新しい健診制度(特定健診)は廃止すべきです
(第181回 8月26日 )

 第164回(6月17日)付けで、「この4月から、検診制度が大幅に変更になりました。これまで自治体が行って来た検診は、老人保健法にもとづく制度でしたが、老人保健法が廃止になったため変更されたものです。いざ始まってみるととても大変です」と報告しました。

 健診内容の貧弱さはこれまでに何度も触れた通りですが、新たな問題点が各方面から明らかになっています。

 善通寺市は、今年度健診該当者の45%にあたる3000名程度の受診を目標にしていますが、6−7月の受診者推計値で、その目標を大きく下回り、400名程度の受診だそうです。特定健診の実績(2013年までの5年)を健診実施率、保健指導実施率、内臓脂肪症候群の減少率などの指標で評価し、保険者ごとの後期高齢者支援金の加算減算に反映するということになっていますから、行政としても他人事ではありません。市の担当者から「善通寺診療所も頑張ってほしい」とエールを送られています。

 仲多度郡・善通寺市医師会事務局でも「会員の先生方も少なさにびっくりしています。今まで受けていた方も戸惑っているみたい」「(国民健康保険以外の)社会保険などはひどいですよ。被保険者の家族に案内が届いたのが7月に入ってです。その上受診券が届くのではなく、受診の申請書を会社へ出せという案内が届き、それに書いて会社へ出すとやっと受診券のみが送られてくる。問診表などは送られてこないそうですよ」「こんな面倒くさいシステムでは、健診を受けに来ませんよね。1ヶ月もしたら忘れますし」などと批判の声があがっています。

 極めつけは、今日の事例です。国立病院(正確には独立行政法人ですが)職員の家族の方です。毎年善通寺診療所で健診を受診している方に電話をしたら、「受診券がこない」との事です。もちろん申込書もきていません。保険者(厚労省職員の加入する共済組合)に電話をすると、「システムの遅れで受診券が発送できていない」「いつ頃に送れるかは分らない」という回答でした。

 新しい制度を構築した厚労省で、その傘下にある共済組合のシステムが動かないというのですから、論外というほかはありません。

 後期高齢者医療制度だけでなく、こんないい加減な健診制度は即刻廃止すべきです。

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