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香大公開講座で「後期高齢者医療制度」の問題点について講義しました
(第170回 7月8日 )

 7月5日に、高松市幸町の香川大学生涯学習教育センターで、「後期高齢者制度の仕組み」という題で「講義」を行いました。


講義風景です

 香川大学の生涯学習教育センターは「大学における研究教育の成果を広く地域社会の皆様にご活用頂くために」公開講座を開催しています。2008年度は32の講座が開催されており、そのうちの「新たな後期高齢者医療制度をめぐって」と題する4回シリーズの講義の講師を依頼され、講演を行ったものです。

 講座の目的は「2008年度から後期高齢者医療制度がスタートしています。この制度をめぐっては廃止・延期をはじめとしてさまざまな意見が出されています。そこで講座の受講生のみなさんと一緒に、この制度の背景、問題点、改善点など考えてみたいと思います」という事です。

 大学での講義となると緊張しますが、正確には大学の施設を使っての講演ですからふだんと同じ感覚で気楽にやらせてもらいました。

 後期高齢者医療制度については、保険料の問題について広く知られるようになりましたが、医療制度全体の中での位置付けや、将来どうなるかという点については十分知られていないので、そもそも何故こういう制度がでてきたのかを明確にするように話しました。


講義風景です

 明治以来の高齢者に対する福祉制度などを簡単に振り返りながら、1981年の第2次臨時行政調査会(臨調)答申、医師養成の削減、老人保健法の制定、1985年のプラザ合意による社会保障分野への市場原理の導入などを説明しました、そして、その延長線上に「医療構造改革」があり、その具体化が2006年6月に成立した「医療改革関連法」であり、その重要な中味が「後期高齢者医療制度」であることを述べました。

 「後期高齢者」の制度の中味がこんなにひどいんですよ、と説明することも大事ですが、医療のありかたそのものが大きく変わろうとしていて、その行く先には「米国型の自己責任論に基づく制度」があること、世界に冠たる日本の「社会保障」制度そのものが崩されようとしていることを強調しました。

 最後に、社会保障財源として「消費税」アップが狙われているが、1998年の自民党・自由党の政策合意以来、消費税の「国税分(4%)については、基礎年金、老人医療及び介護にあてること」とされており、1999年から予算総則にその事が記載されている事を紹介、消費税増税が福祉や医療の充実に結びつかないこと、国民負担が更に増える事を強調して結びとしました。

 

以下のHPを参考にしてください。
http://www.kagawa-u.ac.jp/lifelong/lecture/main.pdf
http://www.kagawa-u.ac.jp/lifelong/lecture/2008/11.pdf


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