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 日本生協連・医療部会発行の、「虹のネットワーク」 2008 年4月号のコラム「社会派 しんさつ室」に掲載された文章を転載します。一部修正しています。

診療報酬改定と組合員運動
(第154回 5月13日 )

 医療の値段を示す診療報酬改定の内容が、明らかになりました。今回の改定の中で最も注目される点が、薬剤や医療材料など「モノ」の値段を除く、医師の技術料などいわゆる「本体」部分が、わずかですが引き上げになった事です。

 この間、一貫して医療費が引き下げられ、多くの医療機関が経営に苦労している事は、理事会や支部運営委員会などの報告でご存知と思います。

 小児科や産科など「医療崩壊」として取り上げられる事の多い分野での引き上げや、技術を必要とされる外科手術での引き上げなど、一定の前進面が認められます。

 しかし、医療生協の運営する多くの中小病院の評価は必ずしも十分なものではありません。リハビリテーション(回復期リハビリテーション病棟)の重視や療養型病床の医療費の更なる引き下げなどもあり、病院の役割やあり方について、存続可能かどうかも含めた厳しい検討が求められています。地域における役割と組合員の要求を把握し、バランスの取れた将来像を考えていく必要があります。

 診療所の地域における役割も、明確にする必要があります。医療費削減を目的とする厚労省の在宅重視の方針には疑問がありますが、地域での連携を基本にした在宅重視の考え方は、地域まるごと健康づくりをめざす医療生協の理念と一致しています。

診 療報酬の内容を理解するのは難しいことですが、「医療の値段」をテーマに、地域における医療生協の役割を考えてみてはどうでしょうか。このテーマを広げて行くと、医療のあるべき姿や社会保障のあり方にもつながります。

 また、こういったことを考える前提条件として、医師・看護師などの確保にどう取り組むかも重要な課題になっています。総代会を前にした2008年度方針の討議の中で話合ってみましょう。

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