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4月からの後期高齢者の医療について(2)
(第142回 3月18日 )

 141回(3月14日付)の続きです。

 さて後期高齢者の外来医療の定額制の導入ですが、対象疾患は糖尿病や高血圧疾患などを「主病」とする後期高齢者が対象で、「後期高齢者診療料」と呼びます。診察料等や、検査(血液検査、心電図、エコー検査など)、レントゲン検査、処置(ケガの手当など)が含まれます。

 診療所以外では、半径4㎞以内に診療所がない病院では算定可能となっていますが、これに該当する病院は北海道と長野県だけと言われています。

 問題は「主病」とは何かという事です。文字通り「主な病気」の事だとおもいますが、ある患者が、糖尿病で糖尿病専門医にかかり、心筋梗塞で循環器専門医にかかり、認知症で精神科のクリニックにかかっていたら、どれが「主な病気」かわかりません。この制度は、主病を診療している一つの医療機関だけが算定する事になっています。誰が判定するのかということになりますが、このあたりは不明です。

 後期高齢者以外では、同様の定額制の仕組みで、「生活習慣病管理料」というのがあります。インスリン注射をおこなっていない糖尿病で、薬剤が院外処方の場合を例にします。

 診察を受け、血糖検査など血液検査を受け、心電図を取った場合、後期高齢者以外なら医療費は8000円ですが、後期高齢者だと6000円に引下げられます。年齢により医療の値段が変わる、「差別医療」の導入といえるのではないでしょうか。

 注:一定の障害を持つ65才から74才の方も、本人が了解すれば後期高齢者医療制度の対象となります。医療費とは、医療機関が受け取る金額を記載しています。

 保険料が高すぎることについては、これまでも何度か触れて来ましたが、更にこの制度の問題点が明らかになりました。これまで、老人保健制度は、75才(当初は70才)になる誕生日の翌月から適用となっていましたが、後期高齢者医療制度は、誕生日から制度が変更になります。そのため、例えば、4月15日が75才の誕生日の場合、4月1日〜14日の医療費(ア、とします)と4月15日〜30日(イ、とします)の期間の医療費を別々に計算する事になります。

 アの期間の自己負担が1万3千円で、イの期間の自己負担が2万円とすると、従来なら1ヵ月の負担上限が1万2千円でしたが、アの期間の上限が1万2千円、イの期間も上限1万2千円となり、75才の誕生月には医療費負担が2倍に跳ね上がることになります(一般扱いの場合。現役並み所得と認定されたら8万8800円になります)。

 75才の誕生祝いとしてとんでもないプレゼント、と言わなければなりません。

(この項続く。3月14日現在の情報を元に記載しています)

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