(第128回 1月25日 )
政府は 23 日の臨時閣議で、揮発油(ガソリン)税の暫定税率の延長を決定し、関連法案を提出することになりました。暫定税率は無駄な道路建設の温床ともなっており、各種世論調査でも廃止要求が多数となっています。
国土交通省は、昨年 11 月に道路中期計画を発表、 10 年間で総額 56 兆円が必要としています。中でも、「国際競争力の確保」のために「基幹ネットについては事業量が 10 年間で 23.3 兆円、毎年 2.33 兆円が必要」としています。
1 月 9 日に開かれた衆議院の第 5 回国土交通委員会で、民主党の川内議員の質問に対し、宮田国土交通省道路局長は、基幹ネットの整備について以下のように回答しています。
「拠点的な空港、港湾からインターチェンジへのアクセス改善などに 1.3 兆円」「十分アクセスが未達成な空港、港湾を整備する」「拠点的な空港、港湾、のうちアクセス未達成の箇所 22 カ所、空港が 4 、港湾が 18 」としています。
国土交通省は、「道路アクセス率」として、高速道路等のインターチェンジから拠点空港・港湾に 10 分以内に到達することを目標としています。港湾で未達成なのは 18 港ありますが、そのうち 20 分未満で到達する港は、水島 12 分、下関 12 分、伏木富山 13 分、岩国 14 分、徳山下松 14 分、今治 14 分、姫路 18 分、高知 18 分、の 8 つです。たかだか 2 分から 8 分短縮するのに、 1km あたり 56 億円(都市圏除く)かかる「高規格道路」などの整備が必要なものでしょうか。
空港では 20 ヵ所中 4 カ所が未達成で、函館 33 分、旭川 29 分、高松 29 分、松山 30 分です。高松空港の場合、これを 20 分縮めて9分になったとして、それで「国際競争力」が高まるのでしょうか?そもそも高松空港の乗降客数や貨物取扱量は、拠点空港の中で占める割合はそれぞれ 0.68 %、 0.22 %に過ぎません。福岡空港と比較するとそれぞれ 8.1 %、 4.3 %です。
医療部会の定例会議で出張する場合、コーププラザ(渋谷)か、医療部会の事務所(代々木)ですが、羽田空港に着陸してから1時間前後で到着します。高松空港に着陸後、リムジンバスを使って 1 時間以内に高松市中心部に到着しますから、東京と遜色はありません。新たな道路建設にどれほどの意味があるのでしょうか?
暫定税率は速やかに廃止し、無駄な道路建設はやめるべきです。
※以下のHPを参考にしました
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009916820080109005.htm
http://www.mlit.go.jp/road/sisaku/butsuryu/Top03-02-03.htm |