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 協同組合 香川合同計算センター 速報に「社長の健康シリーズ」を連載しています。2007年12月号に掲載したものを編集しました。

健康シリーズ「心の健康」その2
(第121回 12月25日 )

 平成 14 年度厚生労働科学研究費補助金による疫学調査によると、精神疾患の診断・統計マニュアル(第 4 版)診断基準による「大うつ病」(「大」とは比較的重症という意味です)の頻度は生涯有病率で 6.5 %であり、 15 人に 1 人はうつ病を経験するということが示されています。

 生涯有病率は女性 10 〜 25 %、男性 5 〜 12 %、同一時点での有病率は女性 5 〜 9 %、男性 2 〜 3 %といずれも女性が男性の約 2 倍高く、その理由としては、出産の影響、女性特有の心理社会的ストレス要因、遺伝的素因によるものなどが考えられています。

 前回、慢性のストレスが「身体症状化」すると書きましたが、うつ病の患者さんの多くは、主な症状である「気分が落ち込んで、やる気がおきない」といった状態を病的と思わないことも多く、全身倦怠感、頭重感、食欲不振などさまざまな身体症状から身体的な疾患を疑い、内科を受診する事が最も多いのが実状です。

 担当医も患者さんの主訴に従って身体疾患と考えることが多く、初診時の診断名としては、慢性胃炎、神経性胃炎、過敏性腸症候群、慢性便秘などの消化器疾患が最も多く、その他にも自律神経失調症や不定愁訴などの病名がつけられる事もあります。

 うつ病で、身体症状が前面に出て精神症状が自覚されない場合を「仮面うつ病」といいます。先に述べた全身倦怠感などの他に、頭痛、肩こり、睡眠障害、めまい、動悸、食欲不振、性欲減退など様々な症状が現れ、検査によっても特別な異常は認められず、原因は明確にされないまま各科を転々とする方もいます。

 

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