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高齢者にやさしい都市ガイド(その2)
(第120回 12月21日 )

 前回紹介した高齢者たちの声の中に、「信号機はオリンピック選手用だね」というのがありました。高松平和病院の前の交差点も、青信号の時間は健常人でちょうどいい程度で、高齢者や障がい者や車椅子を押しながら渡るのは大変です。

 しかし、この問題は日本だけの問題ではありません。先日訪れたシンガポールでも青信号に変わってすぐ点滅になりましたし、ワシントンDCでも青信号の時間は日本としれほど違わないように感じました。ベトナムは信号機そのものが少なく(特にハノイ)、そもそも交通ルールを守らない人が多いので、話が別ですが。

 住環境が安全と感じられるかどうかも重要です。地震の多い地域では高齢者の安全対策も重要です。

 「私達は晩に外出しません。どこにも行きません。殺されそうですよ」:トゥイマズィ(ロシア)

 「地震の危険を避けられるように空き地があればいいのですが、道路を使えと言われています」:イスタンブール

 遊歩道や自転車専用道は高齢者の健康を促進するのによい環境を提供しますが、危険も指摘されています。遊歩道の近くに公衆便所を整備することも重要です。

 高齢者にやさしい建物の条件としては、以下の条件があげられています。

・エレベーター ・エスカレーター
・スロープ ・広い戸口と通路
・手すりのある適切な階段(高すぎず急すぎないもの)
・滑りにくい床 ・快適な椅子のある休憩エリア
・十分な標識 ・障がい者も使える公衆便所

 ただし、エスカレーターは乗る瞬間と降りる瞬間に恐怖感を感じたり、転倒する高齢者もいるので注意が必要です。また、「動く歩道」は慣れないと高齢者はかえって利用しづらいようです。

 本書では、こういった内容について、チェックリストを掲載しています。

(次回に続く)

 

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