(第100回 10月5日 )
第 98 回( 9/28 )で「新任された自民党4役が財務省重視の人事でもあり、医療・年金など社会保障を充実させるためには消費税増税は仕方ないという世論作りをしていく可能性もあり」と書きましたが、案の定、自民党だけでなくマスコミからも、消費税増税の声がでてきました。
ロイター通信によれば、町村官房長官は 10 月2日、報道各社のインタビューに応え、増大する社会保障費や財政再建に向けた安定財源の確保に関して、「その時々の状況によって、良い時も悪い時もあり、それのみに頼る訳にはいかない」「消費税を含む税体系の抜本的な見直しが必要」「何%とは言えないが、長い目で見た時に消費税率引き上げは避けて通れない課題だ」と述べました。
また、額賀財務相に対し「社会保障の入りと出のバランスをどのようにとるかという議論をやる中で、消費税の問題も答えが見えてくる」と語ったと伝えています。
これを受ける形で、朝日新聞は3日付の社説で、与党が 70 歳から 74 歳の自己負担割合が 1 割から 2 割の引き上げ凍結、後期高齢者医療制度で、健保組合の被扶養者などで新たに保険料が発生する 200 万人の保険料の凍結を検討している事に対し、「どう見ても、総選挙を意識した一時しのぎだ」「こんな目くらましの方法は、福田首相の言う「希望と安心」にはつながるまい」と批判し、「福祉目的の消費税など新たな財源に正面から取り組む。そうしたことが政権与党の責任である」と、消費税容認の立場を明らかにしました。
「ヨーロッパが日本に比べて高福祉なのは、消費税率が高いからだ」という主張があります。しかし、ヨーロッパの社会保障財源は、(1)企業など事業主負担、(2)個人が負担する保険料、(3)税金の三つが主なものです。税金の一部に消費税が含まれていますが、その割合は、日 8.3 %、英 12.0 %、独 10.4 %、仏 4.4 %、伊 8.0 %で、大差ありません。日本と違うのは、事業主負担が日 26.9 %に対し、英 32.7 %、独 36.3 %、仏 48.1 %、伊 43.7 %と低いのが特徴です。
消費税が導入されてから 18 年間で、消費税累計が 175 兆円、法人税減税が 160 兆円で、消費税を「福祉のために」「福祉目的税として」といくらいっても、結局福祉に使われることにならないことは、この間の歴史が証明しています。
消費税増税ノーの声を大きくあげていく必要があります。
※以下のHPの内容を参照・引用しました。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK002509120071003?feedType=RSS&feedName=marketsNews
http://www.asahi.com/paper/editorial20071003.html#syasetu2
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-09-09/2006090908_01_0.html
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