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 日本生協連・医療部会発行の、「虹のネットワーク」 2007 年8月号のコラム「社会派 しんさつ室」に掲載された文章を転載します。

「コムスン問題」を考える
(第94回 9月14日 )

 厚生労働省は、 6 月 6 日に訪問介護最大手のコムスンが、不正な手段で介護サービス事業の指定申請を行ったとして、同社のすべての事業所の新規指定と更新を 2011 年 12 月まで行わないよう、都道府県に通知しました。

 この処分は、昨年 4 月の介護保険法の改定に基づくものです。一つの事業所が指定取り消しになると、同じ法人の事業所のすべてが指定更新できなくなる仕組みが導入されました。また、指定取り消しを受けた事業所で管理者だった場合は、 5 年間は別の事業所の管理者にはなれません。

 「営利企業が福祉の担い手になることの危険性が露呈したもの」(服部万里子・立教大教授)、「介護サービスを市場に委ねれば競争原理が働きサービスの質が向上する、としてきた政府の社会保障分野の規制緩和と民間活力導入路線の破綻」(石田一紀・京都女子大教授)など、識者は厳しく批判しています。

 しかし、今回の事件は法令遵守(コンプライアンス)という点で、自分たちはどうかという観点で捉えなおす必要があります。医療生協の事業所が行っている介護事業について、人員体制や届出状況・運営などの自己点検をおこないましょう。

 また、事業所がなくなれば、サービスを受けられなくなる人がでてくるおそれがあります。地域の実状はどうか、医療生協として対応は可能かなど調査をする必要もあるでしょう。支部や班の問題として対応する必要があると思います。

 昨年四月の改定以来、介護認定が厳しくなり、介護保険の利用が事実上狭められています。個々の事例に対しては再申請など必要な対応が求められますが、たまり場を利用して組合員の力で可能な対応はできないでしょうか。「介護難民」をださないためにも医療生協の役割が求められています。

 

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