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 8月25日に開催された、香川医療生協理事会の開会挨拶の内容を紹介します(メモを元に加筆)。

この秋、社会保障改善の運動をすすめよう
(第89回 8月28日 )

 この秋は、社会保障を充実させる運動に力を入れる必要があります。参院選挙の結果、参議院では民主党が第 1 党になり、野党が多数を占めました。民主党の今回のマニフェストには、乳幼児医療費の無料化、自立支援法の1割負担反対、など野党で一致できる内容が含まれています。社会保障を改善させる法案を参院で成立させて衆院に送り、自民党・公明党に態度表明を迫るという事も可能になります。

 医師不足・看護師不足は深刻ですが、 7 月 27 日に発表された「 OECD ヘルスデータ 2007 」によれば、人口 1000 人あたりの医師数が日本は 2.0 人で OECD 加盟 30 ヵ国中 27 位、 OECD の平均が 3.0 人ですから国際標準からみても医師数が不足していることは明らかです。医師不足・看護師不足と共に、医療費の総枠を増やす必要がある事を、世論に訴えていく必要があります。

 今日公開される「 sicko 」という映画の鑑賞を勧めたいと思います。マイケル・ムーア監督の映画で、無保険者の多い米国の医療事情を描いており、日本もこのままだと同じ状態になると警告する内容になっています。

 中指と薬指を失った患者が中指をつなぐのに 6 万ドル(約 670 万円)、薬指が 1.2 万ドル(約 130 万円)と説明を受け、結婚指輪をはめるのに必要な薬指だけを選んだという挿話があります。日本だと 1 本で約 36 万円です。話はずれますが、生命保険会社はこういう数字を元に、医療費負担が大変だと宣伝しますが、日本では保険制度があり高額療養費制度がありますから、 70 才未満なら 8 万円強(所得が多い場合でも 15 万円強)の負担ですみます。

 後期高齢者保険制度はまだまだ知られていません。学習や宣伝を強めていく必要があります。また、包括払い(定額制)の導入が検討されており、経営的な面でも検討しておく必要があります。ある医療機関によると、現在の老人保健該当者が件数で 3 割、収入で 45 %だそうです。このうち、在宅分野での収入が高齢者全体の 3 分の 1 だそうですから、在宅医療にこれまで以上に力を入れる必要がありそうで、診療所の医療のあり方にも検討が必要です。

 来年 4 月から施行される改正生協法への対応準備も必要です。理事長は、現在は理事会の一員という位置付けですが、最高責任者として社会的責任を負うことになります。支部長や支部運営委員、総代の関係なども整備する必要があります。 10 月 1 日から始まる仲間増やし(生協強化月間)の中で、医療生協運動の担い手を見つける事にも力を入れていきましょう。

 

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