香川県保険医協会会報 No.282(2007年5月10日付)の、「主張」欄に掲載した文章を転載します。
(第68回 6月12日 )
統一地方選挙が終わりました。「統一」というのは、一九四七年に米軍統治下以外のすべての自治体が参加して選挙が行なわれた事によるもので、文字通り一〇〇%統一されていました。その後、知事や市・町長の任期中の辞任や議会の解散で下落し、香川県では約五〇%で推移していました。
しかし、この間の市町合併により、かつて四三あった市と町が八市九町に減少しました。今回行われた、県を含めた首長選と議員選は首長選が一八分の三、議員選が一八分の九と、「統一率」は三分の一になりました(全国では二九.四%)。この事が選挙に対する住民の関心を低下させる一因にもなっていると言われています。
一方、マスコミ等のアンケート結果を見ても、政治に「医療・福祉の充実」を求める声は常に高位をしめており、今回の選挙でも、「格差・貧困」の問題と共に「医療・福祉」をどう充実させるかが問われる選挙でした。しかし、選挙カーから聞こえる声も相変わらず候補者名の連呼が多く、政策を語る候補者は少なかったように思います。
とりわけ、二〇〇八年度から開始される、後期高齢者医療制度や特定健診制度を具体化するのが今回選ばれた首長・議員であるだけに、住民の目線からは十分な政策論戦とはならなかったのではないでしょうか。
県都・高松市の市長選挙が無投票に終わった事は、市民の立場からすると残念でしたが、新市長は「情報公開を積極的に行う」事を公約に掲げています。制度変更に関わる様々な問題で積極的に住民に情報提供を行い、「市民党」の名にふさわしい住民本位の市政に切り換えて頂きたいと思います。
また、七選挙区で行われた高松市では、現職の引退も多く三分の一以上が新人となりました。財政難の中で、住民の求める医療福祉の充実策を新しい議会の中で旺盛に議論して頂く事を望むものです。
協会としては、様々なアンケート活動や会員の先生方のご意見を取り入れ、積極的な政策提言ができるよう、努力していきたいと思います。 |