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町おこし事業を考える(その2)
(第60回 5月15日 )


日本の滝100選の「振動の滝」です。水量が少ないので見えにくいですが、真ん中やや左寄りです。

 九州旅行の続きです。前回、九重町を「ここのえちょう」と書きましたが、「ここのえまち」と読むのが正しいようです。しかし、九重・飯田観光協会は、くじゅうはんだ、と読み、近くには久住町、くじゅうちょう、というのもあります(だんだん解らなくなってきました)。

 前回、 5 ヵ月余りで 100 万人が押し寄せたと書きましたが、渡橋人数の当初見込みが 30 万人だったそうですから、嬉しい見込み違いといえます。“夢”大吊橋が完成するまでは、歩く歩道としての高さでは宮崎県綾町にある照葉(てるは)大吊橋が日本一でしたが、 ピークの 90年頃で年間25万人だそうですから、見込み自体は間違っていなかったようです。

 このゴールデンウィーク中には、 10万3千人が訪れ、大分県内の観光28施設の入場者数は前年度比8.5%増で、大吊橋が全体を押し上げたそうです。なぜ、こんなに大ブレイクしたのかはわかりませんが、しばらくは人の流れは止まりそうにありません。

 ゴールデンウィーク中の宿泊者数も、橋の近くの天ケ瀬地域では前年度 11.1%増だそうです(いずれも、大分県発表の数字)。「吊橋効果」が地域経済の活性化に役立っていることは間違いありません。「地方の時代」ともてはやされ、税源委譲といいながら、実際は地方交付税の大幅カットで税収減に悩む多くの「地方」としては、虹のように夢を託せる「橋」に映るのかもしれません。


南阿蘇鉄道トロッコ列車の駅で日本一長い名前の駅。一時2位になりましたが、近々再び1位に復帰します。

 しかし、問題はこれからだと思います。冬場はチェーンを巻かなければ走れない山間部にあります。そもそも、毎年冬場に観光客が来るのでしょうか。観光施設が成功する唯一のカギは、「リピーター」の確保ですが、九州以外の地域から何度も来るには、周囲の観光施設との連携も必要でしょう。また、橋のメインテナンス、とりわけ安全性の確保にも経費が必要です。

 町おこし事業は、結果を早く出すことも重要ですが、継続的に収益をうみだす手立ても同様に重要です。

 四国4県で一体となって観光の活性化を目指す、四国観光立県推進協議会の総会が5月 10 日高松市で開かれ、世界遺産への登録を目指している四国霊場八十八ヵ所を活かした事業を展開していくことなどを申し合わせたそうです。果たしてリピーターを次々と呼び込む取り組みになるのでしょうか。注意深く見守っていきたいと思います。

 


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