(第51回 4月3日 )
県下の医師・歯科医師で作る9条の会・香川医療者の会主催の学習講演会「憲法9条 未来をひらく」が、 3 月 18 日(日)に高松市内で開催され、約 30 人が参加しました。
9条の会・香川医療者の会は、 2005 年 7 月に三木登志也・香川県保険医協会理事長、梶義照・生協みき診所長(香川医療生協顧問)ら5人のよびかけにより発足、 8 月には写真家の森住卓さんの講演会を開催しました。しかし、それ以降は対外的な活動は不十分でした。
安倍首相が年頭に「自分の任期中に憲法改正を行う」と発言、最近は「憲法記念日までに」改憲手続法案(国民投票法案)を成立させると、改憲への姿勢を強めています(法案成立時期についてはその後トーンダウンしましたが)。
急速に改憲への流れが進んでいる事に対し、憲法9条を守る世論を盛り上げるために、この講演会が企画されました。
講演会の司会は、香川医療者の会のよびかけ人の一人である私が行いました。講演に先立ち、9条の会・かがわのよびかけ人の太田さんが朗読劇「月光の夏」を披露し、参加者の感動をよびました。
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記念講演を行なう近藤浩二・香川大元学長
講演は、香川大元学長の近藤浩二・愛媛大学監事が行いました。近藤先生は自らの戦争体験と戦後の歴史を振りかえりながら、日本の平和を守って来た日本国憲法、とりわけ9条の役割を強調しました。
憲法9条を巡る最近の動きとして、 1991 年ペルシャ湾への自衛艦(掃海艇)の派遣、 1992 年の国連平和維持活動協力(PKO)法の成立と自衛隊の海外派遣に始まり、新ガイドライン制定、周辺事態法、有事法制制定、教育基本法改定、国民投票法案提出と徐々に改悪が行われてきており、いまこそ憲法9条を守る運動の重要性があると指摘しました。
改憲論者の改正理由として、自由民主党は結党時より「アメリカから押しつけられた憲法」だから「自主憲法」を制定するとしていたが、最近では「現実に合わなくなった」「新しい時代にふさわしい憲法」と変わってきている。しかし、現実にあわないので変える、というのはおかしいのではないか。現実が優先するのなら法はいらないという事になる、と述べました。そして、歴史的に憲法は専制君主の横暴に対する市民の王権への制約として成立してきた、「憲法は理想を書き込むものであり、現実にあわせるのはおかしい」と指摘しました。
憲法9条を国際的に拡げていくことが戦争を防ぐ道である、と結んで講演会は終了しました。大変有意義な講演会であったと思います。この会の様子は、 3 月 19 日付毎日新聞香川版で報道されました。 |