(第38回 2月13日 )
2007 年2月に、コープ出版から「これからの地域医療連携‐診療報酬改定に左右されない地域連携活動を」(日本生活協同組合連合会 医療部会・編)という本を出版しました。
1990 年の第2次医療法改正で特定機能病院が制度化され、「紹介率」の考えが初めて導入されました。 2000 年の診療報酬改定で、 200 床以上で紹介率 30 %以上の病院の入院患者に対して「紹介外来患者加算」が設定されたため、主として経営的な面から「紹介」患者を求める動きが急速に広まり、多くの病院で「地域連携室」が設置されました。しかし、 2006 年4月の診療報酬改定により、紹介率を前提とする様々な加算がすべて廃止されてしまいました。
経営面だけから見ていると、地域連携室の役割が不透明になっているようにも思えます。しかし、本来その地域の中での病院や診療所の役割を考える上で、本来あるべき「医療連携」の姿を考える好機でもあります。
本書は、 2006 年3月に開催された医療部会の第2回地域連携室担当者会議の講演を軸にして編纂したものです。サブタイトルの「診療報酬改定に左右されない地域連携活動を」にはそんな思いも込められています。
内容は以下の通りです
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はじめに 医療生協における地域医療連携室 |
藤原 高明 |
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第1章 地域医療連携の課題と方向性 |
田城 孝雄(順天堂大講師) |
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第2章 地域医療連携室の活動 |
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・地域医療連携室の担当を命じられたら |
瀬尾 利加子(庄内医療生協) |
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・地域医療連携室の仕事 試案 |
中西 邦彦(神戸医療生協) |
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・院内連携の重要性 |
瀬尾 利加子 |
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・地域まるごと地域医療連携 |
三宅 基夫(岡山医療生協) |
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第3章 医療生協の地域医療連携室活動事例 |
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・宮崎生協病院の活動事例 |
福永 尚子(宮崎医療生協) |
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・地域医療連携室の業務報告 |
瀬尾 利加子 |
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・埼玉協同病院の連携室業務 |
貞弘 朱美(医療生協さいたま) |
地域医療連携室に関する書物は意外と少ないため、一般書店でも入手可能なようにコープ出版から発行しました。定価は 1300 円ですので、ご一読頂ければと思います。
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