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家庭医療学の講演を聞きました
(第17回 11月17日)

 11月4日に香川医療生協研修室で、内科後期研修を考える、香川民医連医師団学習会が開催されました。内容は、中田小児科部長の「ドクター・ウェーブについての報告」と、日本生活協同組合連合会医療部会・家庭医療学開発センター長、藤沼康樹先生(東京ほくと医療生協・生協浮間診療所)の、「日本型家庭医療を育てる」という講演です。


質問に回答する藤沼医師

 藤沼先生の講演の内容は、 2006年4月から開始された、日本生活協同組合連合会医療部会の家庭医療学後期研修プログラム(医療生協家庭医療学レジデンシー)の紹介を中心に、日本型家庭医療学に関する紹介です。

 家庭医療学は、欧米の家庭医の活動の蓄積を元に発展して来ました。医学や生物学だけでなく、医療・保健活動に関する、人文科学、社会科学を統合した領域として発展しています。地域医療の担い手を養成するという点で、医療生協の医師養成と大きな共通点をもっています。

 医療生協の目指す医師像は、医療生協の「患者の権利章典」を実践し、生命と個人の尊厳を尊び、「地域まるごと健康づくり」に貢献できる医師、プライマリ・ヘルスケアを活動の中心に据え、地域や診療所をその活動基盤とする医師です。

 医療部会は、WHO(世界保健機関)の提唱する5つ星医師( five-star doctor)を参考に、医療生協の組合員が期待する医師像をまとめました。

1. いざという時、安全で質の高い医療を提供若しくは紹介でき、セルフケアや健康づくりを援助できる医師
2. 患者の想いや願いを共有し、患者の心に寄り添うことができ、生きる力に援助できる医師
3. 患者の自己決定を援助し、倫理的、経済的な問題も含め専門家として必要な助言ができる医師
4. 地域社会の中で触れ合い、お互いに尊重し、患者中心のチーム医療を実践する医師
5. 地域を知り、地域の人びと(組合員)から信頼され、その地域の健康問題、社会的問題に対応できる医師

 もちろん、地域の中での病院の役割を維持するための専門技術の維持も重要で、プライマリケアを支える医師の養成とのバランスをとる必要がありますが、今後の研修のありかたを考える上で大事な講演であったと思います。


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