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 協同組合 香川合同計算センターの機関紙に Dr.藤原の「社長の健康シリーズ」を連載しています。2006年7月1日号と8月1日号に掲載した記事を転載します(少し編集しました)

健康シリーズ 睡眠について
(第15回 11月10日)

 睡眠は心身の疲労回復にとって不可欠なものであり、子どもの成長にも深く関わっています。また、最近では睡眠時無呼吸症候群(寝ている最中に呼吸が一時的に止まる病気)が、心疾患に関連している事が注目されています。

 睡眠は、心と身体の健康状態を知る重要なバロメーターです。睡眠不足は疲労感をもたらし、適切な判断力を鈍らせるなど、生活の質に大きく影響します。

 適切な睡眠時間はライフスタイルの違いなど個人差がありますが、米国の調査では、9年間の調査から、7〜8時間の睡眠は、6時間以下と9時間以上に比べ、死亡率が低いとブレスローは報告しています。もちろん、睡眠時間のほか、睡眠の質(熟睡度)、夜間の覚醒回数なども重要です。

 特に「眠れないのでアルコールを飲む」という人がいますが、これは逆です。アルコールを飲むと確かに眠たくはなりますが、むしろ睡眠が浅くなるし、酒量が増加しますので、やめましょう。

 快眠を得るためのコツは、(1) 毎日 12時前には就寝するように心掛ける (2) 寝る前1時間は、飲食、過度の飲水はしない (3) 寝る前のタバコ・アルコールは止める (4) 明るさ、温度、寝具など入眠しやすい環境を整える (5) 起床時は心身共にリラックスする (6) 朝日の光を浴びて目覚めるように採光を工夫する (7) 昼寝は1時間以上しない (8) 適度の運動を30分以上行う (9) 睡眠薬の連用を避ける (10) 睡眠記録をつけ、必要なら専門家に相談する、です。

 快眠を得るためのコツに触れたいと思います。

 朝−目覚めと共に体内時計がスタートします。毎朝、決まった時刻に目覚め、起床後しっかり日光を浴びることが大事です。規則正しい食習慣は、消化器の働きを活発にして、朝の目覚めを助けます。

 昼−わずかな昼寝が午後の仕事の効率を高めます。昼休み、 15分程度のわずかな昼寝が午後の眠気を減らします。休日の昼寝は、午後3時までに起きないと、夜の睡眠を妨げます。

 夜−快適な眠りは自らの工夫で作り出しましょう。就寝前のコーヒー、紅茶、緑茶などのカフェイン摂取、就寝1時間前の喫煙は寝つきが悪くします。寝酒は眠りの質を低下させます。夕方から夜の適度な運動習慣は寝つきを助け、熟眠をもたらします。

 それでも眠れない時には、医師に相談する必要があります。

 睡眠障害には、寝つきが悪い(入眠障害)、夜中にたびたび目覚める(中途覚醒)、朝早く目覚める(早朝覚醒)、目覚めた時に十分寝たような気がしない(熟眠障害)などのタイプがあります。このタイプに合わせて、薬剤を使い分ける必要があります。

 睡眠薬はそれぞれ服用してから効果が現れるまでの時間や、効果の持続時間が異なります。また、副作用として、寝起きの悪さや日中のぼんやり感、ふらつきや脱力感、頭の重い感じやだるさ、などがあります。いずれも、医師とよく相談しながら使用する必要があります。

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