協同組合 香川合同計算センターの機関紙に Dr.藤原の「社長の健康シリーズ」を連載しています。2006年1月1日号と2月1日号に掲載した記事を転載します(少し編集しました)
(第14回 11月7日)
忘年会など、アルコールを飲む機会の多い季節です。アルコール性飲料は古くから人類に親しまれた飲み物で、生活・文化の一部として親しまれて来ました。少量の飲酒は、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増加させ動脈硬化の予防に役立つ事が知られています。
「酒は百薬の長」と言われますが、この言葉は古代中国の皇帝が、塩や鉄などと共に「酒」の専売制度を作った時に、「酒は百薬の長、目出度い会合で嗜 (たしな)む良きものである」と、いわば税金の取り立ての理由として公布した文書の一節で、あまり根拠のあるものではありません。
兼行法師の書いた「徒然草」には、「酒は百薬の長といへども、満(よろず)の病は酒よりこそ起(おこ)れ」と、書かれており「酒は百毒の長」の語源ともなっています。
適度な飲酒量は 20グラムのアルコールで、中ビン1本のビール、清酒・ワインなら180ml、35度の焼酎なら70mlが目安です。これの3倍量を飲む人を「多量飲酒者」とします。
日本の飲酒人口は約 6,000万人で、飲酒人口の4%の約230万人がアルコール依存症と診断され、依存症予備軍は1,500万人と言われます。
アルコールの身体的依存性は、麻薬のモルヒネと同等とも言われ、長期間大量に飲用すると危険な薬物である、と考える必要があります。
とりわけ問題にすべき事は、未成年者の飲酒です。ある調査によると、月に1〜2回以上の頻度で飲酒するものの割合は、中学3年生男子で 25.4%、女子17.2%、高校生男子51.5%、女子35.9%と言われています。
未成年者の飲酒は、1. 脳の神経細胞を破壊するため勉強に必要な記憶力が低下する、2. 性機能が低下しインポテンツや月経不順などに繋がる危険性がある、3. 急性アルコール中毒に陥り死に至る事もあるなど、「少しくらい」というのは大変危険です。
やはり、「酒に飲まれない」ように注意しましょう
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