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香川・石綿被害訴訟に思う
(第12回 10月31日)

 1982 年まで高松市屋島西町で操業していたエタニットパイプ(通称エタパイ)四国工場のアスベスト健康被害問題で、元社員や遺族らが 10 月 24 日に、じん肺や中皮腫などの健康被害を受けたのは会社側が防塵対策を怠ったためだとして、後身企業のリゾートソリューションに対し、損害賠償を求める訴訟を高松地裁に起こしました。

 20 年以上前の事ですが、高松平和病院で 1982 年に肺がんで死亡したK氏について、死亡後に遺族からアスベストが原因ではないかと相談を受けました。専門家の海老原医師(千葉大)の鑑定により、「石綿肺による肺がん」と診断され、労災申請し 1984 年 11 月に遺族補償年金の支給が決定されました。この取り組みに、梶義照院長と藤井九十九SW(いずれも肩書きは当時)が、積極的な役割を果たしました。

 それ以降、「エタパイじん肺検診を受ける会」が発足しましたが、力量の問題から不十分な取り組みに終わりました。その後、 1997 年から、全日本建設交運一般労働組合(建交労)高松本部と共同でじん肺検診を再開、K氏の遺族の協力も得て、当時のエタパイ労働者に受診を呼びかけて来ました。検診の詳細は「民医連医療」 2006 年5月号に「香川民医連におけるじん肺・アスベスト問題に対する取り組み」として、報告しました。

 香川民医連アスベスト対策会議(梶義照代表)は、今回の訴訟団である「香川アスベスト請求団」と協力しながら運動を進めています。企業の社会的責任を明確にし、明確な謝罪と賠償を請求するのが訴訟の目的ですが、私たちは医療機関として、疾病の早期発見と定期的な追跡が必要です。6月に生協みき診でも取り組みを行いましたが、 11 月には善通寺診療所でも開催する予定です。

 疾病の社会的背景を見抜く「目と構え」を大事にしながら、取り組んでいきたいと思います。

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