(第11回 10月27日)
講演の様子で演者は高橋運営委員長です 日本生活協同組合連合会医療部会の第7期幹部学校第2学期が 10 月 16 日〜 18 日、大阪で開かれました。幹部学校第2学期の目的は、1)経営管理の基本的な考え方と経営判断の視点を身につける、2)医療における安全管理について講義と情報交換を通してレベルの向上をはかる、3)労務管理の基本を学び現状と課題を認識しその改善をはかる、というものです。
2日目の 17 日に講師として参加しました。「医療安全管理の向上をめざして」と題するセッションで、午前中に国立感染症研究所細菌第二部部長の荒川先生の「院内感染と対策の要点」の講義が行われ、午後から「医療の安全とトップマネジメント」と題し、私が 90 分間の講義を行いました。
内容は、以下の通りです。
1. 増加する医療事故と医療訴訟
2. 医療事故をどうとらえるか
3. インシデント・アクシデント分析と対策
4. 高松平和病院の医療安全の取り組み
5. 実例をもとに経験と教訓を導き出す
6. 危機管理とトップマネジメント
医療安全の取り組みでは、インシデント・アクシデント分析、とりわけ未然に防ぐ事のできたインシデント報告や、軽微な被害で終わったが重大な事故に繋がる可能性のあるハイリスク例の分析が大事で、原因と改善策を明確にする事が重要である事を強調しました。原因分析の手法は色々ありますが、当生協で用いている「4M4E分析」について、詳しく解説しました。
また、緊急事態発生時には、事実関係を明確にした「ポジションペーパー」を準備して説明を行う事。また、幹部の基本的な態度として「逃げない・隠さない・ごまかさない」が大事である事を述べました。そして、安全・安心の医療を実現することは、医療生協の患者の権利章典の実践そのものである事、病院や診療所は医療生協の組合員の協同の財産であり、それを守る事の重要性を強調して結びにしました。
休憩の後、高橋医療部会運営委員長が2時間にわたり「医療生協の医療がめざすもの」と題して、医療生協運動の魅力について縦横無尽に語りました。医療生協が日本の医療を変えることができるか、と問いかけて、その鍵は「参加と協同」そして「患者・組合員のエンパワーメント」である事が強調されました。
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