香川県保険医協会会報 No.274 ( 2006 年9月 10 日付)の、「主張」欄に掲載された文章を転載します
(第4回 10月3日)
任期満了に伴う香川県知事選挙が8月 27 日に行われ、現職の真鍋武紀氏が三選を果たしました。懸念された投票率は 35 %強と前回より低下、真鍋氏の得票数も前回を約 1 万3千票下回りました。滋賀県知事選の「新幹線新駅の是非」のような具体的な争点が明らかでなかった事も作用したと思われますが、県政運営にあたり、県民の声を十分聞く事を要望したいと思います。
県民の要望の中心である「福祉の充実」について、「行き過ぎは是正」(8月 29 日付「四国」。以下、カギかっこ内はインタビューより引用)と語っており、医療関係者として座視できません。全国に先駆けての県営住宅の削減、生活保護世帯へのわずかな見舞金の削減など、「本当に必要な部分にまで切り込むつもりはない」のなら、もう少し配慮があってしかるべきではないでしょうか。
6月からの住民税増税により、国民保険料や介護保険料の負担が増えています。また、高齢者の医療費負担増、介護報酬改定による軽度者(要支援と要介護一)へのベッドや電動車椅子貸与の中止、療養病床での食費・居住費負担増など、軒並み負担が増加しています。医療・介護が受けにくくなっている中で、県としての支援策が求められています。この面での施策の充実を要望したいと思います。
少子化対策で、不妊治療への補助問題で県都高松市との確執が露呈しましたが、市町との連携を密にしながら、子育て支援策を実行する事を要望します。また「働きながら子育てができる社会づくりが必要」との認識について、早急に具体策を示す事を要望します。
安全・安心の町づくりでは、高潮対策に「 30 年間で 800 億円」を投入するそうですが、早急に対応が必要です。また、全国最下位の学校の耐震化について、選挙中に「学校の整備費は設置者の負担が原則」(8月 23 日付「四国」)と回答していますが、災害時の避難場所でもある公的施設の早急な整備も要望します。
以上、福祉・医療中心に触れましたが、県民の意見にどれだけ耳を傾けるかが大事です。県民の声が届く県政運営を強く望むものです。
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