第967回:「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」について(その1)

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年4月15日(第1776号)に掲載した、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」の前半部分です。

今回の改定の特徴は、各種ガイドラインに基づいて実施する項目が増えたことです。

具体的には「情報通信機器を用いた診療に係る指針」「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」「抗微生物薬適正使用の手引き」などです。

今回は、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」について触れます。

このガイドラインは、改定が発表された後の18年3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」と、「医療」の後に「ケア」という言葉が追加され、改訂版が公表されました。

このガイドラインを作る契機になったのは、06年3月に富山県射水市における人工呼吸器取り外し事件です。07年に「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」が策定され、15年3月に「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」に名称変更が行われ、今回「医療」から「医療・ケア」にタイトルが一部変更されたものです。

これまでは、得てして、救急医療現場での「気管挿管するかどうか」「人工呼吸器を装着するかどうか」「心臓マッサージは行うのか」など、医療現場での判断に関わる内容など「終末期医療の決定」に関するものが話題になることが多かったのが実態です。

今回、在宅医療の中での判断や、そもそも人生の最終段階をどう生きるのかという内容の一つとして「医療・ケア」の問題が取り上げられてきたと言えます。

(次号に続く)