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地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2017年6月18日号(第1746号)に掲載した、「18年の診療報酬・介護報酬の動向について(1)」の後半部分です。

(承前)

2018年の診療報酬改定の議論の中で取り上げられている、「かかりつけ医」を普及するためとされる「受診時定額負担の導入」があります。

これは、「かかりつけ医」(いわゆる「主治医」)を決めて、「かかりつけ医」の紹介状を持って他の医師を受診する仕組みづくりのことです。

現在は、ふだんは高血圧や糖尿病で近くの内科の診療所にかかっていても、自分の判断で、膝の痛みがひどいので整形外科、眼が痛いので眼科、頭痛がひどいので脳外科にかかる、といった風に自由に医療機関を選ぶことができます。これが、フリー・アクセスです。

「受診時定額負担の導入」とは、「かかりつけ医」の紹介状を持たずに他の医療機関を受診すると、一定額の余分な負担がかかるというものです。患者が医療機関に受診しにくくなるため、1回500円の負担なら医療費が約7千億円減少するともいわれています。

しかし、この「定額負担」は、明らかに法律に違反しています。2002年改正健康保険法附則第2条に「医療保険各法に規定する被保険者及び被扶養者の医療に係る給付の割合については、将来にわたり百分の七十を維持するものとする」とされています。

この問題について、2016年10月6日の参院予算委員会で塩崎恭久厚労相は、「法律に書いてあるとおり、『将来にわたり百分の七十を維持するものとする。』ということでありますから、当然、厚生労働省はこの法律を守っていくことが基本であるというふうに思います」と答弁しています。

明らかに法違反である、「受診時定額負担の導入」はやめるべきです。

さらに、日医総研(日本医師会総合政策研究機構)の調査(2013年7月)によれば、「病気や健康状態について相談でき、診療してくれる身近なかかりつけ医」について、「40歳以上の男女の65.1%がかかりつけ医がいると回答」しています。

無理やり「主治医制度」を導入する必要はないのではないでしょうか。