第909回:18改定の中央社会保険医療協議会での議論について(外来篇 その1)

香川県保険医協会報の「社保のページ」に、診療報酬に係る内容を連載しています。2017年5月号に掲載した内容です。

2018年4月に、医療報酬・介護報酬の同時改定が行われます。中医協(中央社会保険医療協議会)での議論を紹介していくことにします。

まず、外来です。

外来レセプト一枚当たりの受診日数は減少傾向ですが、主な傷病別の推計外来患者数では、高血圧性疾患、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病が多く、10年前と比較して若干増加しています。

65歳~84歳では、高齢になるほど平均傷病数および外来受診率(在宅を含む)は増加し、複数の医療機関を受診した患者の割合も多い傾向にあります。高齢になるほど、一件当たりの薬剤種類数や薬剤点数が高い患者の割合は増加しています。

16年の診療報酬改定では、小児かかりつけ医や認知症の主治医機能の評価、また、向精神薬の適切な処方の推進等の評価を行い、外来医療のニーズの変化や多様性も踏まえた適切な外来医療が提供できるような評価、新たなサービス提供のあり方等について検討が行われています。

糖尿病と高血圧など複数疾患を持つハイリスク者に対する指導では、医療機関との連携が必要で、生活習慣病の重症化予防と医学管理では、診療ガイドラインに基づき、個別に治療内容を調整するとともに、コントロールが不良な患者については、専門医療機関と連携して、治療方針の変更等を行うこととされています。

主治医機能の評価、医療連携の在り方などが重視されているようです。