第872回:東電福島第一原発事故は国と東電に責任があることが示されました

3月17日に、東電福島第1原発事故で群馬県内に避難した住民ら45世帯137人が、国と東京電力に対する損害賠償を求めた訴訟の判決が、前橋地裁でありました。

原道子裁判長は津波の予見可能性があったと認め、国と東電に対し、原告の一部(62人)に総額3,855万円の支払いを命じました。同様の訴訟には、全国で約30件約1万2千人が参加しており、集団訴訟としては初めての判決で、各地の裁判に大きな影響を与えることが予想されます。福島原発の集団訴訟で、国や東電の過失責任が認められたのは初めてです。

判決は、

・東電は遅くとも2002年7月から数カ月後の時点で事故の予見が可能だった

・国は遅くとも2007年8月の時点で、東電の対応では事故対応が達成されることは期待できないとの認識があった

として、「事故を防ぐことは可能で、国が規制権限を行使しなかったことは合理性を欠き、違法」としました。

11日に開催された、「東日本大震災六周年追悼式」における内閣総理大臣式辞で、安倍首相は「かけがえのない多くの命が失われ、東北地方を中心に未曾有の被害をもたらした東日本大震災の発生から6年の歳月が流れました」と述べたものの、原発事故には全く触れませんでした。

原発事故の収束も全く見えない中での、こういった無責任な態度は許されるものではなく、原発事故に対する国の責任を明らかにすべきです。

原発再稼働を許すな、の声を大きく上げていく必要があります。