第859回:診療報酬のページ(6)ニコチン依存症管理料について

香川県保険医協会報の「社保のページ」に、診療報酬に係る内容を連載しています。「飛来峰」で掲載した内容と重複する内容が大半ですが、再掲します。

2016年11月号に掲載した内容です。

2006年4月の改定時に、薬物による禁煙治療の保険適応が認められました。ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙日数)200以上が対象で、全部で5回指導を行い、通算12週で終了するというものです。

しかし、ブリンクマン指数が200というと、1日10本で20年、20本で10年必要ですから、若年者の場合これに到達しない場合が大半です。

今回改定で、35歳未満の場合は200未満でも算定可能になりました。

また、極端に算定回数が少ない場合の減算が定められました。患者一人当たりの算定回数は先に述べたように5回ですが、実際は自己判断で通院を中断したり、喫煙したために来なくなる場合もあります。

前年4月1日から当年の3月31日までの1年間に算定したニコチン依存症管理料の算定回数を、初回算定数で除したものを、「平均継続回数」とし、これが2未満の場合、2017年7月1日からニコチン依存症管理料を100分の70に減算することになりました。

新たに算定を開始する医療機関の場合の平均継続回数については、基準を満たしているものとみなされます。

算定医療機関は敷地内禁煙が必要です。敷地内禁煙については、ニコチン依存症管理料だけでなく、悪性腫瘍特異物質治療管理料や小児特定疾患カウンセリング料、外来栄養食事指導料、喘息治療管理料、生活習慣病管理料など、いくつかの医学管理等の算定時の施設基準となっています。また、総合入院体制加算など、入院基本料等加算の一部の施設基準にもなっています。

最近これに違反していたために4年半分の診療報酬の返還を指示された病院が話題になりました。報道によれば、2000万円近い額になったとされます。