第856回:診療報酬のページ(5)小児かかりつけ診療料について

香川県保険医協会報の「社保のページ」に、診療報酬に係る内容を連載しています。「飛来峰」で掲載した内容と重複する内容が大半ですが、再掲します。

2016年10月号に掲載した内容で、飛来峰第854回(17年1月10日付)の続きです。

「小児かかりつけ診療料」が新設されました。条件は①当該医療機関を、予防接種や検診を含め4回以上受診している未就学児、②3歳以上の患者は3歳未満から小児かかりつけ診療料を算定している、③いったん、小児かかりつけ診療料を算定しなくなったら再度の算定はできない、というものです。何らかの事情で転医した場合を除き、1か所しか算定できない、つまり「主治医」制になるということです。

医療機関には以下の点が求められます。①急性疾患などの対応の指導やアトピーなどよくみられる慢性疾患に対する指導や診療、②患者が受診しているすべての医療機関の把握と専門医への紹介、③検診の受診状況や結果を把握し発達相談や健康相談に応じる、④予防接種歴の把握とスケジュール管理の助言、⑤電話相談を常時対応する、です。

①は当然の対応として、②から④は親とスタッフの協力があれば可能ですが、問題は⑤の「常時」対応という文言です。常時というのは24時間365日ということですから、現実的に可能かということです。

「同意書」は、以下のような内容です。

「小児かかりつけ診療料」について説明を受け、理解した上で、▲▲医院 医師 ○○○○を主治医として、病気の際の診療、継続的な医学管理、予防接種や健康に関する相談・指導等を受けることに同意いたします。

読みようによっては、他の病院にはかかりませんという宣言のようにも受け取れますから、脅しのように感じる方もいるかもしれません。

24時間対応については、連携医療機関とともに対応するということなのですが、都市部ではともかく、地方では負担が大きすぎるのではないでしょうか。

2016年6月1日現在で、小児かかりつけ診療料の届出は全国で848とされます・