第843回:診療報酬のページ(3)地域包括診療料について

香川県保険医協会報の「社保のページ」に、診療報酬に係る内容を連載しています。「飛来峰」で掲載した内容と重複する内容が大半ですが、再掲します。

2016年7月号に掲載した内容です。

14年4月改定で「かかりつけ医」機能の評価として、主治医を明確にする「地域包括診療料」が導入されました。

高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症のうち2以上の疾患を有する患者が対象で、再診料や検査、レントゲンなどの画像診断、訪問診療などが包括化される一方、1カ月に約1万5千円の収入になるというものでした。

診療所の場合、この点数を算定するには、3人以上の常勤医師が勤務、24時間電話対応が可能、在宅療養支援診療所であることが要件で、同一医療機関でも主治医以外の医師が診察した時には算定できないなどの条件があり、14年7月時点の届け出が122施設、15年7月には93に減少していました。

今回、診療所の施設基準で常勤医師が2名以上に緩和されるなどの変更がなされました。病院の施設基準では、2次救急指定病院、救急告示病院等の要件が削除されましたが、どこまで広がるかは疑問です。

14年4月改定で新たに設定された「地域包括診療加算」は、診療所しか算定できないもので、健康相談をしている、24時間対応をしている薬局と提携している、敷地内禁煙である、介護保険の相談に乗る、主治医意見書を記載、在宅医療を提供し24時間電話対応をするか在宅療養支援診療所である、などの施設基準があり、上記4疾患のうち2以上の疾患を有する患者が対象で、1回の診療のたび200円が加算されます。

今回改定で、地域包括診療料の施設基準と同じく常勤医師の配置要件が緩和されました。また、4疾患の疾患が重複しなければ、複数の医療機関でも算定が可能になりました