第807回:こども食堂・学習支援・フードバンクの活動を通じてまちづくりを考える(その2)

医療福祉生協連第6回通常総会方針学習会の報告の続きです。「こども食堂・学習支援を通じて考えるまちづくり」として、まず、NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク理事長の栗林知絵子さんの「ひとりの『困った』からはじめるこども支援~子ども食堂・学習支援を通じて考えるまちづくり」という講演が行われました。

厚生労働省の示す13年度の子どもの貧困率は16.3%で、6人に1人ということになります。40人学級であれば6人から7人いる訳で、残念ながら普通に存在するということになります。「先進国」の標準と考えられているOECD加盟国34カ国中25位になります。さらに、ひとり親家庭の子どもの貧困率は54.6%です。

「貧困率」とは、世帯の可処分所得の中央値(101人中51人目)の半分の所得で生活している世帯の子どもの率を表します。現状でいえば、貧困ラインは4人世帯で250万円、毎日の生活費は20万円くらいになります。

貧困の問題はなかなか理解されにくい、しばしば自己責任とされるため孤立しがちになります。こういった問題に対して、地域で取り組まれる活動が、暮らしをサポートする「こども食堂」、学びをサポートする「学習支援」の活動で、その具体的な内容を報告していただきました。

具体的な内容については、「季刊 社会運動」のNo.421 2016年1月号に掲載されています。

今回の学習会の企画に合わせて医療福祉生協連の取り組みのアンケート調査を行いましたが、すでに28の医療福祉生協で学習支援の活動などが実践されていました。また、子ども食堂などの食事会などの活動も16の医療福祉生協で実践されていました。こういった活動をさらに広めていきたいと思います。