第789回:16診療報酬改定について(5)認知症対応の診療料(続)

前回は、「地域包括診療料」について触れましたが、今回は「地域包括診療加算」です。

これは、診療所しか算定できないもので、健康相談をしている、24時間対応をしている薬局と提携している、敷地内が禁煙である、介護保険の相談に乗ったり主治医意見書を記載している、在宅医療を提供し24時間電話対応をするか在宅療養支援診療所である、などの施設基準があります。

高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症のうち2つ以上の疾患を有する患者が適応で、1回の診療のたび200円が加算されます。

この「地域包括診療加算」の届け出を行っている診療所で「認知症地域包括診療加算」が算定できるようになりました。1回300円です。認知症以外に1以上の疾患を有しており、1処方につき内服薬の数が5種類以下、1処方につき抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬または睡眠薬の投薬が合わせて3種類以下などが対象となります。

いずれも、一人の患者に対し、「私が主治医だ」と宣言する形になっています。今回の改定で、どこまで広がっていくのか、注視する必要があります。

(この項続く)