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Monthly Archives: 4月 2018

4月26日に、高松市内で、香川県保険医協会の「医科保険診療研究会」(医科2次新点数検討会)が開催され、約30人が参加しました。

今回の改定は、多岐にわたる内容であったため、テキストで使った「新点数・介護報酬Q&A レセプトの記載」2018年4月版は、631頁という大変分厚い内容になりました。診療報酬と介護報酬の同時改定が行われた、6年前の2012年4月版は402頁でしたから、1.5倍の厚さになります。

今回の会は、山下和彦副理事長の開会あいさつで始まり、田中眞治理事と私が解説を担当しました。改定のたびに複雑な内容になり、専門職の我々でも難しい内容ですから、患者の理解は難しいのではないかと思います。

4月10日に、ひかわ医療生協で、「いのちの章典」のこれまでとこれから ~実践のなかでのふりかえり~、と題した講演を行いました。斐川医療生協理事長、ひかわ生協病院院長ともに、一緒に医師研修を行った仲間ですので、久々の再会となりました。

斐川医療生協は島根県出雲市にあり、療養型病床の斐川生協病院と介護事業を中心に事業活動を行っています。JRの特急の泊まる近くの駅は出雲市駅ですが、高松からは、4時間以上かかります(遠かったですね)。

講演は病院近くの図書館の大ホールで行われ、80名近い職員・地域組合員が参加しました。地域の組合員さんが多く参加すると聞いていたので、実例を多く含めて講演を行いました。

講演後の質疑応答の中で、家族を看取った方から、最後にどこまでの治療を希望するかを問われてずいぶん迷った経験から、「いのちの章典」の「自己決定に関する権利」について、日常的に考え話し合うことが大事だとよくわかった、と発言がありました。

日常的に「いのちの章典」について語り合うことが大事であると実感しました。

講演後に出雲大社に行ってきました

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年3月18日(第1773号)に掲載した、「診療報酬の4月改定の問題点をさぐる(その2)」の後半部分です。一部修正しています。

(承前)

入院では、厚労省がこれまで唱えてきた、2025年には高度急性期18万床、一般急性期35万床、亜急性期等26万床、長期療養28万床に再編する計画に近づけるための改定となっています。

急性期医療を担う病棟として、現行の7対1、10対1入院基本料を、「急性期一般入院基本料」とし7段階に分け、急性期医療から長期療養を担う病棟として、現行の13対1、15対1入院基本料を地域一般入院基本料とし3段階に、地域包括ケア病棟入院料を4段階に、回復期リハビリテーション病棟入院料を6段階に分け、長期療養を担う病棟として、療養病棟を20対1療養病棟入院料2段階と経過措置病棟2段階に分け、再編統合します。

長期入院が可能な療養病棟は、20対1配置が原則とされ、医療区分2・3(わかりやすく言うと、1が比較的軽症、3が重症)の割合8割以上が入院料1(1が点数が高い)、5割以上が入院料2となります。

看護師が少ない25対1配置は、医療区分2・3の割合5割以上でも現行点数の10%減額とされ、5割未満なら現行点数の20%減額とされます。25対1配置の最終的な経過措置の終了時期は次期改定時に改めて検討することとしていますが、地域における療養病床の役割は重要であり、地域医療に大きな混乱をきたす可能性があります。

一般病棟も療養病棟も看護必要度などの指標が報酬評価の大きなウエイトを占めるようになり、「実績」を出すための運営が迫られることになります。これで、患者に必要な医療・看護が本当にできるのか、「実績」や「結果」に結びつかないと判断された患者の選別が起こらないかが危惧されます。

回復期リハビリ病棟でも、リハビリの「効果」を示す実績指数や、重症者の割合、回復割合、自宅等退院割合、看護師の配置比率や社会福祉士の配置などにより6段階の報酬区分となっています。また、地域包括ケア病棟入院料の基本報酬も、現行より20点引き下げられ、看護必要度、在宅復帰率、病室の面積、看護師等の配置によって4段階の報酬区分となります。

アウトカム(「実績」)評価や在宅復帰率などの要件は、場合によっては患者の選別も起こりかねないもので、誰でもが持つ医療を受ける権利をどう保障するか、という点で大きな問題があると思います。

地方政治新聞「民主香川」に、「全世代直撃の社会保障改悪」というタイトルで、社会保障関連の内容の連載をしています。2018年3月18日(第1773号)に掲載した、「診療報酬の4月改定の問題点をさぐる(その2)」の前半部分です。一部修正しています。

医療保険の定価を決める診療報酬改定は、2月7日に開催された第389回中医協(中央社会保険医療協議会)で改定案がまとめられ即日答申されました。

リハビリテーション(以下、リハビリ)については、厚労省の方針は、急性期は医療保険で、慢性期は介護保険に移していくことです。この間改定のたびにやり玉に挙がってきました。そのため大変複雑な構造になっています。

リハビリは、現在、心筋梗塞や狭心症など心疾患を対象にする心・大血管疾患リハビリ、肺気腫など慢性閉塞性肺疾患(COPD)など呼吸器疾患等に対する呼吸器リハビリ、整形外科疾患等に対する運動器リハビリ、脳梗塞や脳出血など脳血管障害等に対する脳血管疾患等リハビリ、長期臥床等で自力で動くことが困難になったなど廃用症候群に対するリハビリに分けられます。

それぞれについて、リハビリを行う日数が定められています。この算定日数上限を超えた患者については、ごく一部の例外を除き、「維持期リハビリ」と呼ばれます。外来患者で、要介護・要支援者の維持期リハビリを医療保険で行えるのは、19年3月末までとされ、19年4月以降は介護保険に移行されることになりました。

現在リハビリを行う時に、計画を作り実施したことに対する評価として「リハビリテーション総合計画提供料」がありますが、今回の改定で、「リハビリテーション計画提供料」と名称を変更し、医療機関に紹介する時と介護保険のリハビリ事業所に紹介する時に3倍近い差をつけました。先ほど触れた算定日数の3分の1を超えた時点で、介護保険の事業所に紹介すると医療機関の収入が増える仕組みを作ってしまいました。

しかし、介護保険の事業所では、「リハビリ専門職の人員確保が困難」、「介護保険でのリハビリは介護報酬低く採算が採れない」など、大量の「リハビリ難民」を生み出しかねない可能性があります。

そもそもリハビリは、医師の診断・指示に基づく治療行為の一環であり、患者の病態に応じた対応が必要であり、リハビリは医療保険で行うべきです。

4月6日に、香川医療生協の新入職員教育で、「医療福祉生協のいのちの章典」の講義を行いました。今年は、30人の職員を前に講演を行いました。

今年は、全国の実践の紹介として、医療福祉生協連の発行する「虹のネットワーク」に掲載された全国の実践を紹介しました。

そして、昨年12月14日に開催された「第11回地域連携会議」(飛来峰第936回 2017年12月15日付)で紹介した、「肺がんサバイバーさん」のお話を紹介しながら講演を行いました。

写真は、会場の雰囲気です。

講演時の会場の雰囲気です

今回は、小児かかりつけ診療料の話題です。

これは、2016年改定で新設されたものです。小児科を標榜し、主として小児科診療を担当する医師がいること、小児科外来診療料(※)を算定していることなどが要件で、アトピー、喘息など乳幼児期に多い慢性疾患に対する指導や、検診や予防接種等について把握し、適切に指導する必要があります。

算定対象は予防接種などを含めて4回以上受診している未就学児です。

ただ、この診療料を算定している患者からの「電話等による緊急の相談等は」「常時対応する」必要があります。

小児は突然の発熱や、急に調子が悪くなることがありますから、24時間365日対応というのは、医師に相当の負担が課されることになります。そのため、思ったほど広がっていないのが実際です。

3月1日付の四国厚生支局への届け出(つまり2年経過した時点)を見ても、香川県下では8医療機関にとどまっています。しかもこの中で、もう対応できないと撤退を表明しているところもあるようです。

もう少し実現可能な仕組みを検討する必要があるのではないでしょうか。

※小児科外来診療料は、3歳未満の乳幼児が対象で、検査や処置に関係なく一律料金となる制度のこと。