毎週火曜日・金曜日更新予定。理事長ブログ

Monthly Archives: 2月 2017

事業者は、年末調整の際に従業員から提出された扶養控除等申告書をもとに、給与支払報告書を従業員が住む各市区町村に提出します。この報告をもとに市区町村は住民税を算出し、事業者に住民税額を記した「決定通知書」を送付し、これをもとに事業者は住民税を給与から天引きします。

総務省は、今年5月に自治体から事業者に送付される「決定通知書」に、マイナンバー記載欄を追加する省令を発出しました。

現在の法律では、従業員は事業者に対してマイナンバーを提出する義務はありません(あくまで任意であり、拒否することは可能です)。従って、事業者は従業員のマイナンバーを管理する義務はありません。

ところが、総務省通達の通りに自治体が事務を行えば、事業者に対し、従業員のマイナンバーを管理することを強要することになります。

小規模事業者の中には、漏えいしないように厳格に管理するための設備も人員もないところがあります。マイナンバーを記載した通知書が強制的に送付されたなら、マイナンバーの管理が困難な小規模事業所に管理を強要することになります。

また、この通知書が、多くの自治体で「普通郵便」で送付されます。普通郵便は不達、誤配などがしばしば問題が報告されています(だから、書留郵便がある)。最近、県内で3万通近くの郵便物を配達せず自宅に隠し持っていた事件が発覚しました。

香川県保険医協会の調査では、県内17自治体中11自治体(65%)が、「決定通知書」にマイナンバーを「記載する」「記載する予定」と回答しました。1自治体が「記載しない」、他は検討中でした。

「記載する」「記載する予定」と回答した自治体のうち、「普通郵便(予定含む)」が8自治体、「簡易書留」が2自治体、「検討中」が1でした。「簡易書留」「検討中」と答えた自治体は「誤配、紛失防止」「マイナンバーが記載されているから」でした。そもそもマイナンバーを記載しなければ、こんな心配もないわけで、小規模事業所にマイナンバーの管理を強要する今回の通達は速やかに撤回すべきです。

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2016年11月20日号(第1725号)に掲載した「社会保障はどうなるか(11) 医療費からみる社会保障(1)」です。

「飛来峰」2月21日付の続きです。

一方、伸びが目立つのは、最近高価薬の発売が目立つ糖尿病薬の11.2%、腫瘍薬(主に抗がん剤)の19.7%です。とりわけ、化学療法剤は160%の増(2.6倍)で、内訳は合成抗菌剤(いわゆる抗生物質)は3.8%の減に対し、抗ウイルス剤は249.1%増(3.5倍)でした。

この数値にどこまで影響しているかは不明ですが、抗がん剤では、一般名ニボルマブが問題になっています。この薬剤は、「根治切除不能な悪性黒色腫(3週に1回)」に投与するもので、対象患者は470人として申請があり、2014年9月に100mg/10mlで約73万円の薬価が設定されました。2015年12月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(2週に1回)」に適応が追加され、対象患者は数万に増えましたが、薬価は2年に1回の改定という原則があるため据え置きとなり、問題になりました。対象患者が100倍になった訳で、そのすべてに使用される訳ではありませんが、当然薬価の見直しがあってしかるべきだと思いますが、そうはなっていません。

この薬剤は、海外でも販売されており、諸外国と比較しても異常に高いという問題もあります。保団連(全国保険医団体連合会)が9月6日に記者会見で明らかにしたところでは、英国が約15万円(日本の6分の1)、米国が約30万円(日本の2.5分の1)です。さらに、米国では20%の値引きもあるといわれており、実質的には日本の3分の1の価格ということになります。

その後、「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」にも適応が広がり、さらに使用量が増えています。厚労省は中医協(中央社会保険医療協議会)で25%引き下げという提案を行っていますが、50%以上の引き下げが必要なのではないでしょうか(※)。異常な高薬価を放置すれば、保険財政を圧迫し国民皆保険制度の根幹を揺るがせかねない問題になります。

※その後、50%に引き下げになりました。

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2016年11月20日号(第1725号)に掲載した「社会保障はどうなるか(11) 医療費からみる社会保障(1)」です。

厚生労働省は9月13日に、2015年度の概算医療費は41.5兆円、前年度から1.51兆円、3.8%増加したと発表しました。概算医療費というのは、労災医療や自費医療等の費用を含まないことから「概算」と呼称しているものです。医療機関などを受診し、傷病の治療に要した費用全体の推計値である国民医療費の約98%に相当しています。

医療費の中に占める高齢者の医療費の割合が高いため、高齢化のために医療費が増えると説明されていましたが、高齢化以上に薬剤費が医療費を押し上げていることが今年のデータで明らかになりました。概算医療費に関する厚労省のまとめは、以下の通りです。

・医療費の内訳を診療種類別にみると、入院16.4 兆円(構成割合39.5%)、入院外14.2 兆円(34.3%)、歯科2.8 兆円(6.8%)、調剤7.9 兆円(19.0%)

・医療費の伸び率は3.8%。診療種別にみると、入院1.9%、入院外3.3%、歯科1.4%、調剤9.4%

・1日当たり医療費の伸び率は3.6%。診療種別にみると、入院2.0%、入院外3.2%、歯科1.2%、調剤7.3%

医療費全体の伸び率が3.8%に対し、調剤の伸び率は9.4%です。1日当たり医療費の伸び率が3.6%に対し、調剤の伸び率は7.3%ですから、医療費が増えた主因が「薬剤費」であることは明らかです。

同じ日に公表された「調剤医療費(電算処理分)の動向」によれば、処方箋1枚当たりの調剤医療費の対前年度比の伸びは、全体が7.3%増に対し、75歳以上では6.5%で平均より低く、55歳以上65歳未満が9.5%ともっとも高いことが示されました。

薬効分類別でみると全体の伸び率は11.9%で、高血圧や心臓病に使用する循環器用薬は1.7%の増ですが、高齢者に多く使用される血圧降下剤は1.9%の減です。

(次号に続く)

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2016年11月20日号(第1725号)に掲載した「社会保障はどうなるか(11) 医療費からみる社会保障(1)」です。

同じ日に公表された「調剤医療費(電算処理分)の動向」によれば、処方箋1枚当たりの調剤医療費の対前年度比の伸びは、全体が7.3%増に対し、75歳以上では6.5%で平均より低く、55歳以上65歳未満が9.5%ともっとも高いことが示されました。

薬効分類別でみると全体の伸び率は11.9%で、高血圧や心臓病に使用する循環器用薬は1.7%の増ですが、高齢者に多く使用される血圧降下剤は1.9%の減です。

一方、伸びが目立つのは、最近高価薬の発売が目立つ糖尿病薬の11.2%、腫瘍薬(主に抗がん剤)の19.7%です。とりわけ、化学療法剤は160%の増(2.6倍)で、内訳は合成抗菌剤(いわゆる抗生物質)は3.8%の減に対し、抗ウイルス剤は249.1%増(3.5倍)でした。

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2016年11月20日号(第1725号)に掲載した「社会保障はどうなるか(11) 医療費からみる社会保障(1)」です。

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2016年11月20日号(第1725号)に掲載した「社会保障はどうなるか(11) 医療費からみる社会保障(1)」です。

この数値にどこまで影響しているかは不明ですが、抗がん剤では、一般名ニボルマブが問題になっています。この薬剤は、「根治切除不能な悪性黒色腫(3週に1回)」に投与するもので、対象患者は470人として申請があり、2014年9月に100mg/10mlで約73万円の薬価が設定されました。2015年12月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(2週に1回)」に適応が追加され、対象患者は数万に増えましたが、薬価は2年に1回の改定という原則があるため据え置きとなり、問題になりました。対象患者が100倍になった訳で、そのすべてに使用される訳ではありませんが、当然薬価の見直しがあってしかるべきだと思いますが、そうはなっていません。

この薬剤は、海外でも販売されており、諸外国と比較しても異常に高いという問題もあります。保団連(全国保険医団体連合会)が9月6日に記者会見で明らかにしたところでは、英国が約15万円(日本の6分の1)、米国が約30万円(日本の2.5分の1)です。さらに、米国では20%の値引きもあるといわれており、実質的には日本の3分の1の価格ということになります。

その後、「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」にも適応が広がり、さらに使用量が増えています。厚労省は中医協(中央社会保険医療協議会)で25%引き下げという提案を行っていますが、50%以上の引き下げが必要なのではないでしょうか。異常な高薬価を放置すれば、保険財政を圧迫し国民皆保険制度の根幹を揺るがせかねない問題になります。

※その後、50%に引き下げになりました。

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2016年10月16日号(第1722号)に掲載した「社会保障はどうなるか(10) 診療報酬改定に見るこれからの医療(6)」の後半部です。2月10日付飛来峰の続きです。

(承前)

2016年4月の改定で、A項目に「救急搬送後2日間」を追加、B項目に「診療・療養上の指示」が通じない、「危険行動」など、主に認知症や精神的に混乱している状態に対応するようになりました。

そして、新たに「C項目」を設定、開頭・開胸の手術は7日間、開腹・骨の手術は5日間、全身麻酔・脊椎麻酔の手術は2日間、救命等に係る内科的治療は2日間と、手術後等の入院にも対応させるようにしました。

そして、重症者の判定基準をA項目が2点以上かつB項目3点以上、A項目3点以上、C項目1点以上とし、入院患者の25%以上が必要と引き上げました。

この結果、外科系の診療科目を持たない内科系の病院では、急性で重症患者の入院が少ないと7:1基準を維持するのは相当困難になりました。

この基準を維持できなくなると、10:1基準に変更することになります(注2)。当然必要看護師数も少なくてすむことになりますが、それでは看護師の処遇をどうするのか、という深刻な問題もあります。病棟で仕事をしていた看護師の多数をいきなり在宅医療にというのにも無理がありますから、どこの病院も悩みは大きいということになります。特に4つも5つも病棟を持っている場合は、維持するのも大変、基準を変更するのも大変ですから、2年間に限り病棟単位で届け出ることができる経過措置があります。

在宅復帰率については、自宅や介護施設、回復期リハビリ病棟、地域包括ケア病棟、療養病棟などに退院する患者の割合がこれまで75%以上であることが算定要件でしたが、新設の在宅復帰機能強化加算の届出をした有床診療所を追加、割合も80%に引き上げられました。

急性期を担う病院は急性期の重症疾患に特化、退院は何が何でも川下(在宅や施設)へという狙いが見て取れます。

注1:2006年から導入。患者7人に対し看護師が1人という意味で、看護師が3交代勤務をしているとして、入院患者が42人なら、常時その7分の1の6人看護師が必要。8時間労働だから、その3倍の18人になりますが、通常週に1日以上の休みがありますから、さらに多くの人員が必要となります。
注2:2016年3月末で7:1基準の病院は9月末までは基準を満たしている(つまり、新しい基準に該当していなくてもよい)とみなされる経過措置があります。半年以内に新たな方針を出すようにという意味です。

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2016年10月16日号(第1722号)に掲載した「社会保障はどうなるか(10) 診療報酬改定に見るこれからの医療(6)」の前半部です

2014年6月に公布された「医療介護総合推進法」(正式名称は、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律)により、15年4月より都道府県が「地域医療構想」を策定しています。具体的には、各病院が、自院の病床の機能を「高度急性期機能」「急性期機能」「回復期機能」「慢性期機能」から選ぶことになっています。

13年現在で全国に135万床ある入院病床を、25年には、高度急性期機能病床を13.0万床、急性期機能病床を40.1万床、回復期機能病床を37.5万床、慢性期機能病床を24.2万~28.5万床とし、合わせて115~119万床程度に20万床の削減を行う計画です。

今回の入院点数は、7:1入院基本料(注1)の基準をより厳格化し、急性期で重症の患者が入院対象となるように仕向けていくような仕組みになっています(今回は一般病棟の例示です)。

具体的には、患者像を表す「重症度、医療・看護必要度」を変更し対象患者をより明確化、算定病棟における該当患者の割合を15%から25%に引き上げることになりました(16年3月現在の届出機関で、200床未満の病院は、18年3月までは23%に緩和されます)。

看護師の手を取る処置が「A項目」で、傷や床ずれの処置、同時に3本以上の点滴をしている、心電図モニターをつけている、器械を使って点滴の管理をしている(シリンジポンプの使用)、抗がん剤や麻薬など専門的な医療を受けているなど。「B項目」は、患者の日常動作に関するもので。寝返りに介助が必要、食事や更衣に介助が必要など。

これらの項目に1点または2点の点数をつけ、A項目が2点以上かつB項目3点以上を、重症者と判定し15%以上が必要でした。

(次回に続く)

「共謀罪」に関する議論が国会で行われています。

国会質疑を聞いていると、聞かれたことには答えない、議論をすり替えるなど、みっともない答弁が目立ちます。

安倍首相は、現在の法制度では「武器等を持っていよいよ現場に行こうとしている段階でなければ捕えられない」、「共謀罪」の創設で「(航空機の)予約を(テロの)準備とみなし一網打尽にできる」と説明していました。

この問題について、1月30日の参院予算委員会では、福山哲郎議員(民進)は、現行法制では、ハイジャックを目的の準備行為に対し「予備罪」を規定し、「航空券を(ハイジャック等)の目的で購入する」ことも含まれると、刑法に関する文献を提示し、追求しました。

法案の提出者である法相が、質疑の途中でしばしば答弁に詰まり、安倍首相が代わりに答弁するなど、迷走ぶりが目立っていました。

説明がきちんとできない、現行法で対応できる「共謀罪」は必要ないと思います。

香川県保険医協会報の「社保のページ」に、診療報酬に係る内容を連載しています。「飛来峰」で掲載した内容と重複する内容が大半ですが、再掲します。

2016年12月号に掲載した内容です。

今回の改定で、投薬時の内服薬剤数にも変更がありました。

まず、投薬数を減らした時に算定できる、薬剤総合評価調整管理料です。

外来患者で、他院の処方を含め6種類以上の内服薬が処方されている場合で、自院の処方が2種類以上減少した場合に、1か月に1回算定できます。

この場合、頓服薬は含めない、服用開始後4週間以内の薬は含まれません。

薬剤数の計算に当たっては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算します。また、所定単位当たりの合計薬価が205円以下の場合(205円ルール)も、1種類ではなく1銘柄ごとに計算します。

算定日は、減少を指示した日ではなく、実際に処方した日に算定します。

他院でも同様に算定できる可能性がありますから、レセプトに他院医療機関名と各医療機関における調前後の薬剤数を記載する必要があります。従って、他院での処方内容を把握しておく必要があります。

6種類の内服薬を2種類減らして4種類にした場合には算定できますが、翌月以降にさらに2種類減らしても、4種類から2種類なので(6種類以上ではないので)算定できません。

生活習慣病管理料を算定している場合には算定できませんが、在宅時医学総合管理料を算定している場合は、薬剤の費用は包括されていますが、薬剤総合調整管理料は包括されていないために算定できます。

処方内容の調整時に、他の医療機関または保険薬局に照会や情報提供を行った場合には、連携管理加算が算定できます。