毎週火曜日・金曜日更新予定。理事長ブログ

Monthly Archives: 12月 2016

2016年の最終号になります。

この1年は医療・介護の問題を中心に書いてきました。2018年には、医療・介護報酬の同時改定が行われます。保険料の値上げだけでなく、利用料の値上げ、利用制限などが予定されています。

引き続き、問題点を明らかにしていきたいと思います。

来年もよろしくお願いします。

カトマンズの古都バクティプルのトウマディ広場に立つバイラヴナート寺院です。17世紀に建立されたものの1934年の大地震の後に建立されたものです

カトマンズの古都バクティプルのトウマディ広場に立つバイラヴナート寺院です。17世紀に建立されたものの1934年の大地震の後に建立されたものです

ニューデリー郊外にある、ムガール帝国2代皇帝の墓であるフマユーン廟です。1565年に建立されたもので、夕日を浴びたこの時間が最も美しいそうです

ニューデリー郊外にある、ムガール帝国2代皇帝の墓であるフマユーン廟です。1565年に建立されたもので、夕日を浴びたこの時間が最も美しいそうです

2016年12月15日

日本医療福祉生活協同組合連合会
代表理事会長理事 藤原 高明

12月13日夜、米軍普天間飛行場所属のオスプレイが名護市沿岸に墜落しました。空中給油訓練中に給油ホースにプロペラが接触し損傷したことが原因とされています。米軍海兵隊は不時着水と発表しましたが、大破して真っ二つに折れ散乱する機体の映像から墜落であることは明らかで、300メートルほど離れた最寄りの集落に被害が無かったことは偶然としか言いようがありません。米軍基地が存在するゆえに起きた今回の事故に対し、医療福祉生協連は怒りを込めて抗議し、オスプレイの配備・訓練の撤回を求めるものです。とりわけ、「パイロットは住宅、住民に被害を与えなかった。感謝されるべきで表彰ものだ」という在沖縄米軍トップの発言は、沖縄県民を侮辱し、国民感情を逆なでするものです。直ちに撤回と謝罪を求めます。

辺野古新基地建設は、政府の主張を全面的に認めた辺野古訴訟の高裁判決が最高裁でも維持される見通しで新たな局面を迎えますが、国の主張を押しつけただけの訴訟結果によって新基地の危険性がなくなり沖縄県民の不安が解消されるわけではありません。高江のヘリパッド建設工事で政府が見せた強権的な態度や沖縄県民への差別的言動に、怒りは強まるばかりです。

今回の墜落事故は、今後オスプレイの配備・運用が予定されている米軍横田基地(東京都)、佐賀空港(佐賀県)、木更津駐屯地(千葉県)等の近隣住民にも深刻な不安をよび起こしています。米軍基地が存在する限り、沖縄県民だけでなく日本国民すべてが、軍用機墜落等の危険からは逃れられません。今回の事故は、米軍基地が日本の平和と安全にとって本当に必要であるのかを、改めて問いかけています。

医療福祉生協連は沖縄新基地建設反対を改めて表明するとともに、日本からのオスプレイ撤退を求めます。そして全国の会員生協に、在日米軍基地の危険性を学ぶ、米軍基地反対の世論を広げる、そして沖縄県民や米軍基地近隣の人びとと連帯する、「学び、広げ、連帯する」行動を呼びかけるものです。

以上

善通寺診療所グループ(※)と四国こどもとおとなの医療センターの共催で開催される第9回地域連携懇談会が、12月15日に善通寺市総合会館で開催され、13事業所から約40人が参加して行われました。

会場風景です。発表を熱心に聞き入っています

会場風景です。発表を熱心に聞き入っています

私は開会あいさつで、さきごろネパールで行われたAPHCO(アジア・太平洋地域保健協同組合協議会)の理事会を話題にしながら、「高齢社会を迎え認知症が深刻になっている、日本だけではなく、アジアはどこでも深刻になっている。日本では医療保険制度や介護保険制度をもち、他の国ではない取り組みを行っており、アジア各国は私たちの取り組みに注目している。今日はざっくばらんに、認知症に対する取り組みの経験交流をしたい」と話しました。

会は、はじめに、三豊市立西香川病院の井川看護部長より「パーソン・センタード・ケア(PCC)について」と題する講演が行われました。パーソン・センタード・ケアの理念とは、英国のブラッドフォード大学のキットウッド教授が提唱した考え方で、「その人を取り巻く人々や社会とのかかわりをもち、一人の人として受け入れられ、尊重されていると本人が実感できるように共に行っていくケア」のことで、その人全体を理解しようとすることが大切だと強調しました。

時間が短く十分お話しいただけなく、申し訳なかったと感じました。

2番目の講演は、善通寺市地域包括支援センターの林保健師より「認知症初期集中支援チームの活動について」と題して、この10月から善通寺市でも始まった認知症に対する取り組みが報告されました。この活動を支援している大杉脳神経外科医院の大杉医師よりも発言があり、認知症に対する取り組みについて理解を深めました。

次回は、2017年6月29日(木)に、四国こどもとおとなの医療センターで開催する予定です。

※香川医療生協の善通寺診療所・訪問看護ステーションほがらか・ヘルパーステーションほがらか

第19回APHCO(アジア・太平洋地域保健協同組合協議会)理事会は11月13日の午前に開催されましたが、同日午後に、2015年4月にネパールを襲った大地震における、フェクト・ネパールの取り組みについて、プジャ・ラマ医師の学習講演が行われました。以下、その大要です。

地震が起きた2015年4月25日は土曜日でした。休日だったため(ネパールでは土曜日が休日)、救急室や薬局、放射線部門しか稼働していませんでしたが、救急対応を行いました。5月12日の地震の際には火曜日だったため、十分な対応ができました。

カトマンズ・モデル病院は建物に被害が及んだため、入院患者は1階におろし、外来やリハビリ部門は休診にしました。キルティプル病院は建物にひびが入る程度で被害が少なかったため、通常の医療活動ができました。手術や処置などはモデル病院から人や機器を移動して行いました。

世界中から支援が寄せられました。

キルティプル病院では、4月25日から5月末までの期間で、手術は211件、小手術・処置は476件、搬送時の死亡者は11件、入院後の死亡が2件でした。モデル病院では小手術・処置は276件でした。

地震に備えていなかった、どうすれば良いか分からなかった。

職員は被災者であると同時に支援者でもあるため、職員向けの支援ワークショップを開催しました。職員の子どもも亡くなっており、カウンセリングが必要です。トラウマを解消することが目的です。

第19回APHCO(アジア・太平洋地域保健協同組合協議会)理事会の報告です。2015年度から2017年度の活動計画について再度確認した後、中間年での各国の取り組みを交流しました。

討論の中で、各国の感染症に対する取り組みを交流しました。

2012年8月に来訪した時の市内の写真です。普通に道路にはごみが散乱していましたが、今では見違えるようにきれいになっていました。あまりにきれいなので、写真を撮り忘れました。

2012年8月に来訪した時の市内の写真です。
普通に道路にはごみが散乱していましたが、今では見違えるようにきれいになっていました。
あまりにきれいなので、写真を撮り忘れました。

マレーシアでは、KDM(マレーシア医師協同組合)による、デング熱の診断検査キットを普及し、デング熱の早期診断に取り組んだ経験や、デング熱を媒介する蚊の発生を予防するために環境を清潔に保つ運動(Love Our Rivers Campaign)の取り組みなどが報告されました。そのことが、結果として、ジカ熱の流入を阻止できたのではないかというコメントがありました。

フェクト・ネパールからは、バグマティ川(※)の清掃キャンペーンのとりくみ、水質保全や教育が重要な役割を果たすことが報告されました。ネパールでは、大臣など政治家も、個人の資格で運動に参加している。特に若い世代の参加が目立つとのことでした。

※バグマティ川は、ネパールの首都カトマンズ中心の南部を流れ、インドに流入し、ガンジス川に合流します。フェクトのメンバーに聞くと、子供のころは泳いでいたが、と言っていました。日本から同行したメンバーによれば、確かにきれいになっているとのことでした。

草花は得意ではないので自信がありませんが、菊でしょうか?

草花は得意ではないので自信がありませんが、
菊でしょうか?

第19回APHCO(アジア・太平洋地域保健協同組合協議会)理事会の報告です。各国からの報告(カントリー・リポート)のうち、マレーシア医師協同組合のサイード先生の報告の一部です(前回の続きです)。

マレーシア医師協同組合のサイード副会長が、デオ会長の報告を行っているところです。 指輪が目立ちますが…

マレーシア医師協同組合のサイード副会長が、デオ会長の報告を行っているところです。
指輪が目立ちますが…

Koperasi Doktor Malaysia(KDM)はマレーシアの医師協同組合で、1988年に設立されました。主な目的は、医療の質を向上させるために政府を支援することと、個人開業の医師の福利厚生を改善することです。

マレーシアでは今も大半の人々が、総合病院や地区病院、総合診療所、保健所で医療や治療を受けています。政府は、比較的貧しい都市部や農村部に「1マレーシア・クリニック」と呼ばれる治療センターを設立し、これらの取り組みにより、無料または大幅に助成された金額で医療を提供できています。

しかし、これらの医療サービスは非常にコストがかかり、最近は経済が停滞しているため特に厳しい状況です。自費払いの患者コストを抑えるのに役立つよう、KDMでは数年前に「KDMファーマ」を立ち上げました。できるだけ低価格で個人開業の組合員や非組合員医師に販売することで、患者が手頃な価格で治療を受けられるようになることです。

マレーシアの保健省は、KDM Berhad(公開会社) とそのパートナーである会社に対し、外国人労働者の健康診断を管理する権利を与えました。外国人労働者の流入により、これまで地元住民の間でコントロールされてきた感染症(例:肺結核、ポリオ、マラリア、HIVなど)が再発する可能性があります。

マレーシアの人口が増加し、また世界経済にひずみが出ている中、政府としては人口増加と無料医療サービスの提供におけるコスト増大という課題に直面しています。このようなモデルは持続不可能であり、政府は医療提供制度を見直す必要があるとともに、医療財政の体制(医療保険)を導入する可能性があります。そしてその時が来たならば、協同病院が明白な解決策である、と確信しています。

朝食はブッフェ形式で、一つの皿に盛るので、味がミックスされるんですね。まあ、これが習慣と思えば。結局慣れますが。皿の右端に載っているのがヤギの(?)チーズです。

朝食はブッフェ形式で、一つの皿に盛るので、味がミックスされるんですね。まあ、これが習慣と思えば。
結局慣れますが。
皿の右端に載っているのがヤギの(?)チーズです。

第19回APHCO(アジア・太平洋地域保健協同組合協議会)理事会の報告です。各国からの報告(カントリー・リポート)のうち、インド・ケララ州のケララ協同病院連盟会長のパドマナブハンさんの報告の一部です(前回の続きです)。

インドの協同組合医療システムは、政府と民間部門の間に位置すると言えますが、満足とは言えない状況です。協同組合の医療活動で顕著な発展を見せている州は、ケララ州のみです。

インドの他の地域には、ムンバイのシュシュリュシャ 市民協同病院のように運営に成功しているいくつかの協同病院があります。しかしこのようにわずかな数の協同病院では、私たちのような巨大な国における医療分野で役割を担っているとは言えません。インドの他の州で協同組合部門に携わっている人たちは、医療分野で大きなチャンスがあることを考慮し、自らの州で協同組合の医療機関を立ち上げるべきです。このような機関は、民間部門よりも常に優秀な協同組合部門の魅力に恵まれるのです。

ケララ州では、いくつかの種類の協同組合機関が活動しており、具体的には協同組合の医科大学が2か所、そして県・地区・単協レベルの協同病院があります。医科大学を除くこれらすべての病院は、ケララ協同病院連盟(Kelala Co-op Hospital Federation)という州レベル組織の下にあります。この連盟自体が看護学校、理学療法学校、救急医療学校を運営しており、学生たちは微生物学、生化学、医学研究などに取り組んでいます。数百名にのぼるこれらの学校の卒業生たちは、インド全国および外国でも活躍しています。

私たちが目指すのは、ケララのモデルをインド全国に広げることです。そのために私たちは、全国を対象とした協同組合医療開発政策を構築する必要があります。それが私たちの目標となります。APHCOは、アジア太平洋地域で協同組合の医療活動を促進するのに重要な役割を担うことができます。私たちの年次総会で同様の政策を計画できるよう願っています。