毎週火曜日・金曜日更新予定。理事長ブログ

Monthly Archives: 9月 2016

フェクト・ネパール(以下、フェクト)との交流についての続報です。

9月20日は、まんのう町琴南のすずらん班の活動を視察してもらいました。足湯、健康チェックに続き、近隣の地域組合員の三味線やお祝い膳を楽しみました。ちょうど、河川の氾濫情報を知らせる携帯電話やスマートフォンが鳴り響く中、次々と地域組合員が参加、医療生協の事業所から遠い地域でも、健康づくりや助け合い・支え合いの活動が行われていることを見ていただきました。

9月21日は、小豆島の班活動を見ていただきました。いつものように健康チェックや健康体操を行い、お二人にも健康チェック、健康体操を体験していただきました。

「日本のように事業所がない地域でも保健予防活動ができるようになりたい。そのことをフェクトもめざしている。すぐにはできないがその努力をしたい」「地域のボランティアも増やしたい。送迎や食事ボランティアなど、ちょっとした手助けで豊かな生活ができるようになることを学んだ」などの感想が寄せられました。

11月には、APHCO(アジア・太平洋地域保健協同組合協議会)総会がネパールのカトマンズで開催され、参加する予定です。再会が楽しみです。

9月20日付(第828回)で、フェクト・ネパール(以下、フェクト)との交流について報告しました。

交流会でくつろぐ、プラダン先生(左)とスーマンさん

交流会でくつろぐ、プラダン先生(左)とスーマンさん

フェクトとは医療部会当時から交流がありましたが、この間医療福祉生協連設立の中で、時間を取って懇談することはありませんでした。今回、時間を取って(まる2日です)じっくり話をすることができ、よかったと思います。

フェクトもカトマンズ郊外に新病院を建設し、熱傷治療や口蓋裂の手術のセンター病院としての技術発展が行われましたが、本来の住民主体の健康づくりなどの活動が不十分になったという反省もあり、今回日本の医療福祉生協の運動から学びたいと懇談と、香川医療生協との交流を目的に来日したものです。

この間の、日本の活動、すこしお生活、地域でのマップ作りなどを紹介し意見交換を行いました。

安全保障関連法が成立して1年がたちます。医療福祉生協連代表理事会長理事として以下の声明を発表しましたので紹介します。

会長理事声明

安全保障関連法制定1年を迎えて

2016年9月19日
日本医療福祉生活協同組合
代表理事会長理事 藤原 高明

安全保障関連法(安保法)強行成立から1年を迎えました。法成立後、安倍首相は国民の理解を求めるために「丁寧に説明する」と繰り返しましたが、法の必要性や憲法と整合性は未だに十分に説明されたとは言えません。それどころか、与党勝利となった参議院議員選挙の結果を受け、政府は強権的な姿勢を強めています。沖縄東村高江での米軍ヘリパッド建設工事を再開し、自衛隊機を使用して工事車両を運搬しました。また、11月に南スーダンPKOに派遣する自衛隊部隊に対して、武器使用を伴う駆けつけ警護等の安保法による新たな任務の実働訓練を開始しています。私たちは、政府のこうした姿勢に改めて抗議します。

この間、北朝鮮によるミサイル発射訓練や核実験の強行、尖閣諸島周辺海域における中国艦船の動きなど、日本の安全保障をめぐる情勢は緊迫度を高めています。しかし、こうした事態に対して軍事的な対応を準備することは、緊張関係や偶発的な事故の危険性を高めるだけです。あくまで対話や交渉によって問題解決を図るべきであって、このような情勢を背景に国民の危機感を煽り安保法の必要性を主張することは許されません。「安保法廃止」「憲法9条守れ」は国民の根強い要求であり、私たちには、憲法9条が日本の平和を守る力であり、平和国家日本こそがこの国のかたちであることを、多くの人びとに語り広げていくことが求められています。

生協強化月間が始まります。今年の生協強化月間を、“憲法と平和を守る300万人”を実現する月間として成功させましょう。

事業と活動によって「いのちの章典」を実践し、地域社会のいのちと健康に向き合う医療福祉生協の組合員・役職員には、平和と日本国憲法を語り、広げる力があります。

「健康をつくる。平和をつくる。いのち輝く社会をつくる。」ために、「安保法廃止」「憲法守れ」の声をさらに大きく広げましょう。

以上

熊本地震に対するお見舞いをいただきました。左から、スーマンさん、医療福祉生協連の東久保(とうくぼ)代表理事専務理事、プラダン先生、右端が香川医療生協の小池・代表理事専務理事です。

熊本地震に対するお見舞いをいただきました。
左から、スーマンさん、医療福祉生協連の東久保(とうくぼ)代表理事専務理事、プラダン先生、右端が香川医療生協の小池・代表理事専務理事です。

9月17日と18日の両日、高松市内でフェクト・ネパールとの交流会が行われました。フェクト・ネパールは、phect NEPAL:Public Health Concern Trust Nepalの略で、1991年に「医療を必要としている人に必要な医療を」提供する目的で設立された、非営利のNGO(非政府組織)です。

今回は専務理事のバラート・プラダン医師とスーマン・シュレスタさんが、この11月に開催されるAPHCO(アジア・太平洋地域保健協同組合協議会)の理事会の準備と、フェクト・ネパールの今後の活動を発展させるために、日本の医療福祉生協の実践を見てみたいという希望があり日本訪問となったものです。

2日間にわたり、日本の医療福祉生協の活動の紹介とフェクト・ネパールの活動の紹介を行い、熱心に意見交換を行いました。

意見交換を始める前に、熊本地震に対するお見舞いのカンパの贈呈式が行われました。

9月6日から3日間、福島県内で「日本医療福祉生協連 2016年度トップセミナー」が開催されました。学習講演などについて、紹介していきます。

2日目の9月7日に、「東日本大震災・原発事故 現状と課題」と題して、浜通り医療生協顧問・原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員の伊東達也さんが講演を行いました。

2015年国勢調査の結果、福島県の人口減少率が5.7%で全国最高であった。とりわけ4町(富岡町、大熊町、双葉町、浪江町)が人口ゼロであったことが衝撃を与えた。また、9月6日現在で震災関連死が2,079人など、原発事故時には想定できなかったことが起きている。

事故で融解した燃料(デブリ)がどこにあるかもわからない、政府・東電は廃炉完了まで30年から40年としているが、本当に可能なのか、いずれにしても現在60歳以上の人は(筆者もそうですが……)、廃炉完了を見ることはできない。

帰還困難区域は337平方㎞です。伊東さんは地元に帰って近くの町の面積で考えてほしいと訴えました。高松市の面積が375平方kmですから、9割に相当する広さです。わかりやすく言うと、高松市でいうと庵治町と牟礼町は「帰還可能」だが、それ以外は「帰還困難」ということになります。

こういった現状を広く伝える必要があると思います。

9月6日から8日の3日間、福島県郡山市内で「日本医療福祉生協連 2016年度トップセミナー」が開催され、開会あいさつを述べました。以下、その大要です。

4月の熊本地震、そして、この間連続して上陸した台風の被害にあわれた皆さんに、心からお見舞いを申し上げます。

東久保代表理事専務理事の基調報告です

東久保代表理事専務理事の基調報告です

今年度のトップセミナーは、東日本大震災・福島第一原発事故の発生から5年を経過した被災地の復興の現状と課題を学ぶという意味を込めて、福島県での開催といたしました。

本日、午前中には、被災地の現地視察を行いました。また、明日は、浜通り医療生協の顧問の伊東さんから、「東日本大震災・原発事故 現状と課題」と題した学習講演を予定しております。改めて、東日本大震災と原発事故について考え、被災地に寄り添う3日間にしていきたいと思います。

さて、本セミナーでは、2つの目的があります。ひとつは、今後20年程度の将来を見据え、社会の動向を学び、医療福祉生協の将来展望を描く機会とすることです。

もう一つは「2016年度下期から次年度に向けてとりくむべき戦略課題を明らかにする」ことです。それぞれの目的にふさわしい多彩な講師の皆さまにお話をいただきます。ぜひ、実りのある議論を深めていただければと思います。

最後に、本日のセミナーに、8月1日に医療福祉生協連に新たに加入した長崎県にあります「福祉生活協同組合いきいきコープ」の方が参加していらっしゃいます。ここでご紹介させていただきます。

2020年ビジョンの中で、あるべき姿は「すべての都道府県に医療福祉生協が誕生」しているとしました。一歩近づくことができたと思います。

それでは、3日間の積極的な討論と交流の経験を持ち帰って頂き、医療・介護・健康づくりの事業と運動をさらに進め、地域まるごと健康づくりを皆さんの生協で一層広げて頂きますよう、お願い申し上げて、開会の挨拶といたします。

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2016年8月21日号に掲載した「社会保障はどうなるか(8) 診療報酬改定に見るこれからの医療(4)」です。

厚生労働省は、「2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けること」を目標に「地域包括ケアシステム」(地域の包括的な支援・サービス提供体制)の構築を推進しています。

このシステムを医療の面で評価するために、14年4月から、「地域包括診療料」「地域包括診療加算」を導入しました。

「地域包括診療料」は、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症のうち2つ以上の疾患を有する患者が対象で、再診料や検査、レントゲンなどの画像診断、訪問診療などは包括化(マルメ)される一方、1カ月に約1万5千円の収入になるというものです。

診療所の場合、この点数を算定するには、3人以上の常勤医師が勤務、24時間電話対応が可能、在宅療養支援診療所であることが要件で、かなりハードルが高いものでした。地域医療の中核を担う大半の無床診療所では医師数の要件を満たすことができないという問題がありました。

また、主治医を決めるため同じ医療機関であっても他の医師が診察した時には算定できないなどの条件があり、14年7月時点での届け出件数は全国で122施設しかなく、15年7月には93施設に減少してしまいました。四国では、香川県、愛媛県、高知県に各1施設、徳島県ではゼロでした。

「かかりつけ医」機能の評価として、「主治医」を明確にするものですが、考えてみると、疾病の有無や内容に関係なく「高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援」を目的とする「地域包括ケアシステム」と、上記の4疾病のうち2つ以上を持つ患者が対象になる「地域包括診療」とに、何の関係があるのかよくわかりません。結局、よくある慢性疾患患者に定額制医療を導入する口実であったとしか思えないのが実態です。

16年4月の改定で、常勤医師が2名以上に緩和されるなど、若干の変更がなされましたが、医療機関側がどう対応するか注目されるところです。

この「地域包括診療料」の届け出を行っている医療機関で、今回新たに算定が可能になるのが、「認知症地域包括診療料」です。認知症以外に1以上の疾患を持っている、1処方当たりの薬剤が5種類以下などの条件をみたせば、月に1回、約1万5千円の収入になるというものです。他の医療機関が地域包括診療料を算定していても、病名が重複しなければどちらの医療機関でも算定が可能です。

「地域包括診療加算」は、診療所しか算定できないもので、健康相談をしている、24時間対応をしている薬局と提携している、敷地内が禁煙である、介護保険の相談に乗る、主治医意見書を記載している、在宅医療を提供し24時間電話対応をするか在宅療養支援診療所である、などの施設基準があります。

高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症のうち2つ以上の疾患を有する患者が適応で、1回の診療のたび200円が加算されます。

この「地域包括診療加算」の届け出を行っている診療所で「認知症地域包括診療加算」が算定できるようになりました。1回300円です。認知症以外に1以上の疾患を有しており、1処方につき内服薬の数が5種類以下、1処方につき抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬または睡眠薬の投薬が合わせて3種類以下などが対象となります。

いずれも、一人の患者に対し、「私が主治医だ」と宣言する形になっています。今回の改定で、どこまで広がっていくのか、注視する必要があります。

第61回社会保障審議会介護保険部会で、費用負担(総報酬割・調整交付金等)が提案されました。介護保険で40~64歳が負担する第2号保険料の計算方法を見直し、収入に応じた「総報酬割」を導入することが提案されました。

介護保険財政は、保険料50%、公費50%で成り立っています。保険料は65歳以上の第1号保険料が22%(2.1兆円)、40歳から64歳までの第2号保険料が28%(2.7兆円)で成り立っています(ごく一部に公費が充当されていますが)。2号保険料(40歳~64歳)は、収入の額が基準ではなく、保険加入者数で頭割りされていますから、給与水準が低い中小企業の労働者の負担が比較的重くなっています。

厚労省の提案は、報酬額に対する保険料の割合を同一にするというものです。現行は、協会けんぽは1.95%、健保組合は1.35%、共済は1.09%ですが、これをすべて1.54%に統一するというものです。この制度を全面的に導入すると、大企業の従業員や公務員1,272万人の負担が増え、中小企業を中心に1,653万人は負担軽減になる一方、国が財政支援のために行っている国庫補助1,450億円が不要になると説明しました。

厚労省の試算では、総報酬割の全面導入により、健保組合の加入者は労使合計で保険料が月平均727円増の5,852円になります。公務員らの共済組合も1,972円増の7,097円。一方、協会けんぽ加入の中小企業などでは241円減の4,043円となります。

労働者間の「不公平」を改善するという名目で、結局、国の負担をなくするということに他なりません。