毎週火曜日・金曜日更新予定。理事長ブログ

Monthly Archives: 6月 2016

6月26日に、香川医療生活協同組合の第37期第48回総代会が、高松市内で開催されました。
総代定数230人中226人の参加で(本人出席151人、書面議決書75人)、すべての議案が賛成多数で議決されました。

来賓として、香川県連合自治会の石田会長、香川県老人クラブ連合会の豊嶋会長にご出席いただきました。

私は、以下のような開会あいさつ(大要)を行いました。

4月14日、熊本県を中心とした巨大地震が発生しました。被災された皆さまに心からお見舞いを申し上げます。わたくしたち職員も、医師をはじめ多くの職員が被災地支援に赴きました。私も健康相談に二度参りましたが、息長い支援が必要だと感じました。

さて、2015年度は、医療福祉生協の地域包括ケアをすすめるために、さまざまな取り組みが行われました。「3つのつくろうチャレンジ」の取り組みは地域により差はありますが、全体として前進していると思います。また、健康チャレンジも、大きく広げることができました。

引き続き、「健康をつくる」医療生協らしい活動を今年も旺盛に行っていきたいと思います。

先日開催された、医療福祉生協連の総会学習会は、こどもの貧困をテーマに、子ども食堂、学習支援活動、フードバンクなどの取り組みについて話し合われました。へいわこどもクリニックなどでも、多彩な取り組みが行われています。高齢者からこどもまで、安心して暮らし続けられるまちづくりに引き続き取り組んでいきます。

最後になりますが、7月10日は参院選の投票日です。国論を2分する中で強行採決された、平和安全法制の是非が問われます。選挙後には憲法9条を変える議論が予想されます。7月10日は7・10(なっとう)の日だそうです。「平和をつくる」ために、粘り強く、憲法守れの声を上げ続けていくことをよびかけます。

6月23日午後に、独立行政法人国立病院機構・四国こどもとおとなの医療センターの研修室(こもれびホール)で、第8回地域連携懇談会を開催しました。

この会合は、旧・国立善通寺病院の地域連携室との共催で、地域での在宅医療を広めること、事業者間の「顔の見える連携」を促進する目的で開催してきました。

今回は、20事業所、78名の参加で盛大に行われました。開会にあたり、私は「地域包括ケアの取り組みは全国で広がっている。特に事業所間のフラットな関係を大事にして、いつでも相談できる関係を作りたい」とあいさつしました。

はじめに、4月から善通寺市で始まった「新しい介護予防・日常生活支援総合事業」について、善通寺市保健福祉部高齢者課の香川課長から、「総合事業の求めるもの」と題する講演がありました。「善通寺市の高齢者は、健康に対する意識が高く、お元気な方が多い」。介護認定率は16.2%で県内で2番目に低く、そのため介護保険料の基準額も4,625円で県内で最も低い、という説明がありました。総合事業の内容については、従来事業の読み替えによるものが多く、全く新しいものは少ない、ということでした。

2番目の演題は、特別養護老人ホーム「仙遊荘」の山下副施設長の「特別養護老人ホーム仙遊荘の看取りの現状」です。ここ数年の看取りについて、6名から19名で年々増加しているとのことでした。ここ3年の平均が16名/年ですから、月に1人以上を看取っていることになり、ずいぶん頑張っているという印象を持ちました。

特に参加者の関心を引いたのが、看取りの流れを作り、入所時から、看取り、看取り後まで、職員の役割を明確に明確にしていたことです。また、新入職員への教育制度などもあり、定期的に学習を行っていました。

講演後の9つに分かれたグループディスカッションでも、個人の尊厳を大事しながらどのように看取っていくのかが話題になりました。

今後もこの取り組みを継続していきたいと思います。

医療福祉生協連第6回通常総会方針学習会の報告の続きです。「こども食堂・学習支援を通じて考えるまちづくり」として、まず、NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク理事長の栗林知絵子さんの「ひとりの『困った』からはじめるこども支援~子ども食堂・学習支援を通じて考えるまちづくり」という講演が行われました。

厚生労働省の示す13年度の子どもの貧困率は16.3%で、6人に1人ということになります。40人学級であれば6人から7人いる訳で、残念ながら普通に存在するということになります。「先進国」の標準と考えられているOECD加盟国34カ国中25位になります。さらに、ひとり親家庭の子どもの貧困率は54.6%です。

「貧困率」とは、世帯の可処分所得の中央値(101人中51人目)の半分の所得で生活している世帯の子どもの率を表します。現状でいえば、貧困ラインは4人世帯で250万円、毎日の生活費は20万円くらいになります。

貧困の問題はなかなか理解されにくい、しばしば自己責任とされるため孤立しがちになります。こういった問題に対して、地域で取り組まれる活動が、暮らしをサポートする「こども食堂」、学びをサポートする「学習支援」の活動で、その具体的な内容を報告していただきました。

具体的な内容については、「季刊 社会運動」のNo.421 2016年1月号に掲載されています。

今回の学習会の企画に合わせて医療福祉生協連の取り組みのアンケート調査を行いましたが、すでに28の医療福祉生協で学習支援の活動などが実践されていました。また、子ども食堂などの食事会などの活動も16の医療福祉生協で実践されていました。こういった活動をさらに広めていきたいと思います。

6月10日付(第804回)で、医療福祉生協連第6回通常総会の報告をしましたが、6月7日に「こども食堂・学習支援を通じて考えるまちづくり」と題した、総会方針学習企画を行いました。63生協・183名(含む理事・監事、事務局等)が参加しました。

学習会は、2つの講演を行い、そのあとに2人の演者と私で鼎談を行う形で進めました。

最初の講演は、「ひとりの『困った』からはじめるこども支援~子ども食堂・学習支援を通じて考えるまちづくり」と題して、NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク理事長の栗林(くりばやし)知絵子さんです。

東京都豊島区で実践している、こどもたちの、遊びサポート、学びサポート(学習支援)、暮らしサポート(こども食堂、夜の児童館)、ひとり親サポートなどの具体的な活動を報告していただきました。

2つ目の講演は、「フードバンクの実践から見える子どもの貧困と行政との連携」と題して、NPO法人フードバンク山梨・全国フードバンク推進協議会理事長の米山(よねやま)けい子さんです。

フードバンクとは、「賞味期限」などで、通常なら十分食べられる食物が廃棄される現実がある中で、企業などからこれまでなら廃棄された食品を、貧困などの理由で食事にも困っている方へ提供する活動です。日本ではまだ十分知られていない活動を山梨県で先進的に行ってきた内容を紹介していただきました。

そのあと、3人で意見交換を行いました。次回から、具体的な内容を報告します。

※医療福祉生協連のHPに、写真が掲載されています。

http://www.hew.coop/2016/06/20606.html

香川県保険医協会報に「診察室の窓から」という、協会理事によるリレーコラムがあります。
2016年5月号に「熊本地震におもう」と題して、熊本地震支援の経験を掲載しました。5月中旬に書いた文章です。

熊本地震が落ち着きません。熊本県と大分県で震度1以上を観測した地震は、5月15日17時までに、震度7が2回で計1455回です。この文章を書いている15日も震度3の地震が起き、震度1以上の揺れは9回発生しています。

5月6日に熊本駅近くの生協店舗で開催された、健康チェック・健康相談に参加しました。週1回行われているもので、私が参加したのは2回目です。1回目の時は車中泊の方が多く、普段ならかかりつけ医に相談するような内容が多かったようですが、今回は、降圧剤を服用している方が「家の片づけをしているが、少し血圧が高い」といった相談が多く、片づけを始めた様子が伺えました。

3回目の13日に出た声では、「小学校が再開したため自宅に戻った。避難所は誰かがいるが自宅ではひとりで心配」「眠れないのが辛い。寝ていても地震で目が覚める」などがあり、まだまだ復興には程遠いというのが実情です。

被害の大きかった益城町を移動しましたが、家屋の甚大な被害のほか、道路が波打っていたり、橋を渡るときは段差の大きさを感じるなど、インフラの被害が大きく復興には相当時間と予算が必要だと感じました。

また、度重なる余震で、少し傾いていた家が大きく傾いたり、地震のたびに瓦が落ちたりしたために、ブルーシートをかぶせた家が増えています。

10年ほど前に、旅行会社のツアーで大分・熊本へ旅行したことがあります。大分県の宝泉寺温泉で宿泊、翌日熊本県の高森町に移動し、南阿蘇鉄道の「ゆうすげ号」にのり高森駅から立野駅まで移動、阿蘇五岳や阿蘇外輪山を眺望しました。途中、日本一駅名の長い「南阿蘇水の生まれる里 白水高原駅」を通過し、写真を撮りました。

こういった観光資源が、今回の地震で大きな被害を受けています。熊本・大分の人々の生業の復興は当然として、観光資源の復興も必要です。可能な限りの支援をしていきたいと思います。

6月8日に、日本医療福祉生活協同組合連合会第6回通常総会が東京都内で開催され、冒頭の会長挨拶を行いました。

以下、大要です。

藤原会長会長挨拶です。さすがに緊張して顔がこわばっています(笑)

藤原会長
会長挨拶です。さすがに緊張して顔がこわばっています(笑)

4月14日、熊本県を中心とした巨大地震が発生しました。被災された皆さまに心からお見舞いを申し上げます。全国の会員生協から寄せられた人的・物的支援に対し、この場をお借りしてお礼申し上げます。私たちは、日本生協連をはじめとする協同組合間協同と他団体との連携により、組合員・住民の健康不安に応える活動として、生協くまもとの店舗にて、4月末から健康相談会を毎週開催してまいりました。

私自身も相談会に医師として参加し、「地震以来、血圧が高くて心配だ」「相談に乗ってもらって良かった」「一人暮らしなので、夜は特に不安で眠れない」などの声をお聞きしました。先日、益城町にある生協くまもとの配送センターで行われた健康相談会では、肩こり、不眠、ストレス状態を訴える方が多く、甚大な被災、度重なる余震により緊張状態が続いていることが感じられました。健康づくりの活動、協同組合間の協同の大事さをあらためて認識すると同時に、医療福祉生協が地域に存在する意義に確信を深める機会となりました。

2015年度、私たちは、「医療福祉生協の地域包括ケア」をすすめる「3つのつくろうチャレンジ」にとりくみました。

また10万人の「健康チャレンジ」をはじめ、「すこしの塩分ですこやかな生活を」めざす「すこしお生活」の普及をはじめました。

3つの「つくろうチャレンジ」を契機に、「自分たちのまちは、自分たちでつくっていこう」と、組合員が意欲的に居場所づくりや健康づくりの活動を広げつつあります。2016年度は、このことをもっと旺盛にとりくみたいと考えています。

今や、子どもの約6人に1人が貧困世帯といわれています。昨日の総会方針学習会では「子どもの貧困」を多角的に学びました。本日の総会議案でも「居場所づくりで多世代協同を広げる」ことを提案しています。子どもが安心して過ごせる居場所をつくり、すべての世代が出会い、交流し、支えあうことのできる多世代協同のまちづくりを、購買生協を含む多くの団体や人々と連携しつつ、さらに広げてまいりたいと思います。

今、政治によっていのちとくらしが脅かされる事態が深刻さを増しています。先般沖縄で起きた米軍元海兵隊員による卑劣な犯行は、許しがたいものです。根本的な解決は、基地の撤去以外にありません。昨年9月、「平和安全法制関連法」が採択されました。これにより、自衛隊が海外で戦争に参加する事態が、いっそう現実味を帯びてきました。

各地からの代議員、医療福祉生協連の役職員、オブザーバーなど合わせて約200名の参加で開催されました。

各地からの代議員、医療福祉生協連の役職員、オブザーバーなど合わせて約200名の参加で開催されました。

医療福祉生協は「健康をつくる、平和をつくる、いのち輝く社会をつくる」を理念に掲げ、その実現にむけ事業と活動を行なっています。日本国憲法の恒久平和主義と立憲主義を守り活かす決意と行動が、私たち一人ひとりに求められています。ご参加の皆さんには、「学び、広げ、連帯する」立場で、世論を喚起する活動をいっそう強めていただくよう呼びかけます。

昨年成立した「医療保険制度改革関連法」に基づく施策が進行し、地域医療ビジョンの具体化、医療機能の再編に向けた動きが加速しています。患者・利用者のいのちと健康、地域医療・福祉を守る立場から、「医療福祉生協の2020年ビジョン」実現に向け、事業基盤の強化をすすめてまいります。

最後になりますが、被災5年を迎えた東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故で被災された医療福祉生協の仲間に、一層の連帯を申し上げます。熊本地震によって東北が忘れ去られることのないよう、私たちは継続的な支援に力を尽くします。

医療・介護・福祉の包括的な提供と、組合員の自主的なくらし助け合いの活動によって、くらしを支える役割を一層果たしてまいる決意を申し上げ、開会のごあいさつとします。

6月4日(土)に、熊本地震で被害の大きかった益城町に行ってきました。益城町には、生協くまもとの熊本東支所があり、その倉庫(といってもオープンスペースです)をお借りして健康チェック・健康相談を行いました。

5月6日に生協くまもとのコープ春日店で行われた健康チェック・健康相談に参加した折(5月10日付 第796回参照)、吉永理事長と懇談、生協の職員も被災している、益城町の避難所にも案内して健康チェック・健康相談ができないか、という依頼を受け、今回実現したものです。

医療福祉生協の中四国ブロック・九州沖縄ブロックの協力を得て、医師3名をはじめ15名のスタッフで臨みました。

医師は私の他、医療生協健文会(山口県)の大長医師(整形外科)と、鳥取医療生協の田治米医師(心療科)です。お昼過ぎまで雨が降る中で参加者の数が心配されましたが、148名の参加で盛況でした。

相談内容は、車中泊や度重なる余震のせいでしょうか、肩こりや腰痛、手や足のしびれなど、整形外科的な症状や、ストレス、不眠など、心療内科的な訴えが多かったようです。

時期によりニーズも変わっていくようで、企画の内容は検討していく必要がありますが、引き続き支援していきたいと思います。

生協くまもとのHPに今回の取り組みが紹介されています。
http://www.kumamoto.coop/news/jishin/2805

地方政治新聞「民主香川」に、「社会保障はどうなるか」というタイトルで、社会保障改悪の内容の連載をしています。2016年4月17日号(第1704号)に掲載した「社会保障はどうなるか(4) TPPと医療について(3)」で、第787回(3月22日付)の続きです。

TPPが医療にどう影響するか考えてみます。

日本では医療費(診療報酬)は、中医協(中央社会保険医療協議会)で審議されます。協議会の構成は、支払側(保険者、被保険者、事業主の代表)、診療側(医師、歯科医師、薬剤師の代表)、公益側の三者構成で、議論は公開されていますし、関係者が議論を行う仕組みは民主的なやり方だとといえます。

しかし、TPPに参加すると、この仕組みが危うくなる可能性があります。

内閣官房HPに掲載されている、「TPP協定の全章概要」の、「第26章 透明性及び腐敗行為の防止章」の「医薬品及び医療機器のための透明性及び手続の公正に関する附属書」の中で、

「自国の保健当局が新たな医薬品又は医療機器に対する保険償還を目的とする収載のための手続を運用し、又は維持する場合、かかる収載のための全ての正式かつ適切な申請の検討を一定の期間内に完了することを確保すること、手続規則、方法、原則及び指針を開示すること等を規定」するとしています。

これまでも、米国通商代表部(USTR)は、新薬の薬価が維持される「新薬創出加算」の継続・拡大、当初想定した売り上げの2倍以上になった等の理由で薬価を引き下げる「市場拡大再算定制度」の廃止などを要求しています。

米国企業が「TPP協定の透明性」を理由に、保険収載の可否や公定価格について、「利害関係者として」介入する可能性は否定できません。

例えば、昨年5月に発売されたC型肝炎の新薬は画期的な効果ともに、1錠8万円余りという高薬価が話題になりました。12週間の服用で薬剤費だけで約673万円かかりました。この4月の薬価改定で、年間販売額が1500億円超かつ予想販売額の1.3倍以上となる製品は最大50%引き下げる「特例拡大再算定」制度により、31.7%引き下げられ、1錠約5万5千円になり、12週間の薬剤費は約460万になりました。TPPに参加するとこの仕組みが問題にされるかもしれません。

TPP文書には、「医療」の章はありません。しかし、「知的財産」「透明性及び腐敗行為の防止」「投資」などの項目が、薬価、ひいては医療保険制度そのものに影響することは間違いありません。

政府対策本部の「概要」の第9章「投資」では、「投資家と国との間の紛争の解決(ISDS)のための手続も規定している」と書かれてあります。

ISDSとは、「投資家と投資受入国との間で投資紛争が起きた場合,投資家が当該投資紛争を国際仲裁を通じて解決するもの」(外務省HPより)とされています。

医療分野においては、米国の保険会社が、(米国の)民間医療保険を日本国内で販売しようとするために、日本の医療保険制度が問題だとして、このISDS条項を使用する可能性もあります。

また、混合診療禁止の例外として認められている「先進医療」について、保険会社は対応した保険商品を発売していますが、厚労省が保険収載をすると保険商品が売れなくなるわけで、「保険収載したこと」が訴えられる可能性もあります。

TPPに関する連載を続けていれば、国会で内容が明らかになるのではないかという淡い期待を持っていましたが、案の定「墨塗り文書」のオンパレードです。国民に交渉内容を隠し続ける安倍政権は許せません。