毎週火曜日・金曜日更新予定。理事長ブログ

Monthly Archives: 5月 2015

香川県保険医協会は機関紙「香川県保険医協会報」の「社保のページ」に介護保険改定に関する連載を行っています。

2015年3月号に掲載した内容を転載します。内容的にはこれまでの「飛来峰」の内容と重複します。

2015年4月1日から、特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設、以下「特養」)への入所制限が行われます。「限られた資源の中で、より入所の必要性の高い方々が入所しやすくなるよう」に、というのが厚労省の方針です。

従来から、特養の入所については、「介護の必要の程度及び家族等の状況を勘案し、……必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させる」(1999年厚生省令第39号)としてきました。そして、「入所の必要性の高さ」については「要介護度を勘案する」(2001年8月の計画課長通知)としてきました。

しかし、要介護度が低ければ入所対象としない、ということではなかったはずです。大きな制度の後退と言えます。

それでは、要介護1・2の場合はどうなるのかというと、「市町村の適切な関与の下、施設ごとに設置している入所検討委員会を経て」、「特例入所」を認めることになります。日常生活に支障をきたすような認知症や、家族の虐待や単身世帯などの「特例」に限り、入所できる可能性があります(検討委員会の判定によります)。

入所判定時に要介護3であったが入所前日までに要介護1・2と判定が変更された場合、「特例」に該当しない場合は入所できません。現在入所中の要介護1・2の入所者も、入院などの事情でいったん退所すると、再度入所申込みが必要になり、再入所できるかどうかはわかりません。

現在入所中の要介護3以上の方が更新審査により要介護1・2に判定されても継続して入所可能ですが、4月1日以降に入所した方が更新審査により要介護1・2に判定された場合は、原則として自動的に退所となります。

要介護1・2の方が「特例入所」の対象であると考えて入所申込みした場合、市町村が対象ではないと判断したなら、「不服申立て」はできません。現在の介護認定システムの中で、介護度の判定に不服がある場合は、申し立てができますが、制度面から見て大きな後退といえます。

「介護保険料あって、介護保険なし」の制度改悪と言えます。

ネパール地震に関する報道は殆どなくなりました。そのせいでしょうか、医療福祉生協連に集まるカンパも今一つというところです。

現地から帰ってきた方の報告を聞くと、「避難所はない、思い思いのところにテントを張り暮らしている。支援物資は届いていない。空港には山積みされているが」「不自由な生活が続いているが、もともと停電が多いので、日本人が感じるほどではないようだ」「生活環境がどんどん悪化しているのでこれからが支援が必要だ」ということです。

また、国際支援と言っても、確実に現地の住民に役立つような仕組みを考えないといけないようです。日本人が現金を持って行き、ネパールルピーに換金して渡すのが良いという意見もあります。といっても、持参する金額は、手持ち程度でないと、怪しげな人物とマークされますからよく考えていかないといけません。

いずれにしても、まず現金をカンパで集めて、現地で確実に支援につながるような仕組みを考える必要があります。

現地の写真が手に入ったので、紹介します。

ネパール地震についての支援の呼びかけを、4月28日付(第718回)の本欄で訴えました。この間、APHCO(アジア・太平洋地域保健協同組合協議会)の会長として、フェクトネパールに激励のメッセージを送ってきました。

今回、フェクトネパールのプラダン先生から、返信が送られてきました。

フェクトネパールは、カトマンズ市内にカトマンズ・モデル病院を、山間のキルティプルにも大学病院を運営しています。いずれも今回の地震で大きな被害はなく、救急患者に24時間対応を行っています。

キルティプルの病院の体制を強化し、レントゲンや手術室、ICUへの対応を強化しています。

Phect-NEPAL would like to express sincere thanks to the Asia Pacific Health Cooperative Organization and Japanese Health and Welfare Cooperative Federation for expressing deep concern and sympathy on the loss due to the devastating earthquake through out Nepal on April 25, 2015.

Phect-NEPAL is doing its best possible care to the victims of the earthquake through its Kathmandu Model Hospital, Kirtipur Hospital and regular community based health camps. This difficult period has forced us to upgrade our Kirtipur Hospital with complete radiology, operation theaters and ICU services to cope with the possible post disaster effects & complications and rehabilitation of the casualties.

We appreciate support and cooperation from HeW-COOP Japan and APHCO Member Countries to overcome the difficult situation in coming days.

Dr. Bharat Pradhan/Executive Director/Phect-NEPAL

被災者とフェクトネパールへの支援のために、募金を行っています。集まった募金は医療福祉生協連を通じて、フェクトネパールに送付する予定です。香川医療生協の事業所まで募金をお寄せください。

香川県保険医協会は機関紙「香川県保険医協会報」の「社保のページ」に介護保険改定に関する連載を行っています。
2015年2月号に掲載した内容を転載します。内容的にはこれまでの「飛来峰」の内容と重複します。

2015年4月から介護保険法が改定され、3年に1度の介護報酬改定も行われます。改定の詳細について、連載したいと思います。
介護認定で「要支援」と判定された場合、ホームヘルパー(45万人利用)・デイサービス(50万人利用)の利用が介護保険から外されます。
かわりに市区町村の「新しい介護予防・日常生活支援総合事業」(新しい総合事業)で対応します。従来の施設基準・人員基準等は廃止されますから、自治体により対象やサービス内容が異なることになります。サービス事業には予算の上限が定められますから、財政等に余力があり、サービスを充実できる自治体では対応可能ですが、そうでなければサービス内容は不十分になります。
これまで介護職が行ってきたサービスが、専門技量を持たない無資格のボランティアが対応することにもなります。自治体でも「ボランティアなど受け皿がなく、移行は困難」という声もあります。「安全・安心」には程遠い「新しい総合事業」になる可能性があります。
自治体の準備状況について、中央社保協(中央社会保障推進協議会)が2014年9月から11月にかけて、47都道府県の社保協を通じ、アンケート調査を行いました。
その結果をまとめた、2014年「全国市町村介護保険改定に関する緊急調査」報告書では、回答のあった35都道府県の950自治体のうち、「要支援1・2サービスの地域支援事業への移行」について、「見通しがたたない」「できない」と回答したのが74・0%、「できる」としたのは8・9%でした。
厚労省の調査では2015年度中に移行できるのは144自治体(7・2%)、この4月から移行できるのは78自治体(4・9%)、13府県では移行自治体がゼロでした。今回の介護保険改悪が、大きな矛盾に突き当たった形です。
大半の自治体が準備中ですから、計画を具体的に明らかにさせ、準備状況について情報公開を求めていくことが必要です。そして、「改悪」の撤回を求める運動を広げていく必要があります。

いつでも自衛隊を海外に派遣できる「国際平和支援法案」と、10本の改正法案をまとめた、「戦争立法」が14日にも閣議決定されようとしています。それに先立ち、5月1日付で、医療福祉生協連会長理事として、以下の声明を発表しましたので、紹介します。

新日米防衛指針(ガイドライン)の合意撤回を求める

2015年5月1日

日本医療福祉生活協同組合連合会
会長理事 藤原 高明

日米両政府は、27日にニューヨークで開催した外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)において、18年ぶりの「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」改定(以下、「新ガイドライン」)に合意しました。

「新ガイドライン」は、「日本の平和及び安全の切れ目のない確保」「地域の及びグローバルな平和と安全のための協力」「宇宙及びサイバー空間に関する協力」「日米共同の取り組み」という項目を立て、日本が集団的自衛権を行使することを前提に米軍への後方支援の地理的制限をなくしただけでなく、宇宙空間やサイバー空間までも含めて米軍との協力を可能にしています。

集団的自衛権行使は閣議決定後関連法制の整備がすすめられ、この通常国会で関連法規が審議される予定のものであり、その審議も待たずに集団的自衛権の行使を前提にした「新ガイドライン」に合意することは国会軽視・国民無視であり、内閣の行為としてあってはならないことです。

日米安保条約は第6条で「極東の平和と安全」に寄与することを定め、日本政府は従来の指針の際、「極東」を「フィリピン以北並びに日本及びその周辺地域」と説明してきました。「新ガイドライン」は地理的制約を取り払い「アジア太平洋地域及びこれを越えた地域」とすることで、地球規模にその範囲を広げました。これは日米安保条約の事実上の改定に等しいもので、認めることはできません。

「新ガイドライン」は、第2次世界大戦後70年をかけて築いてきた日本国憲法の理念や平和国家の姿を投げ捨て、紛争解決の手段としての外交努力を放棄し、米軍と一体となり自衛隊員を「平和維持」の名目で戦地に送るものです。

戦後政治の転換をもたらすこうした重大な決定は国民への丁寧な説明と、国会における十分な論議を経て承認されるべきものです。医療福祉生協連は政府に対して「新ガイドライン」合意を直ちに撤回し、国民に対する丁寧な説明と国会での徹底審議を求めます。

以上